テーマ:詩&物語の或る風景(1049)
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「自分好みの異性を売ります」 過激にも限度はあるけど、これは本当に凄い相談所だなぁ 人身売買みたいな書き方だ。 普通の紹介サイトだと、色んな男女の写真なんかが多用されていて 「私達、幸せになりました」 ってのが、王道だが、ここは一切写真らしい物が無く 永遠と、説明の文面だけが続く・・・ 変には思ったが、興味の方が私の心の中で勝っていた 「あなたの理想とする異性をイメージして 希望を書いてくださいご希望の異性をお届けします」 その下に、味気の無い入力フォームがあるだけ。 不思議に思ったが、まずは入力してみる事にした。 まずは、イケメンで、高学歴、高収入は当たり前でしょ? 性格が良くて、私の事を大切に思ってくれて、大事にしてくれて 夢のような生活を保証してくれそうな人。 外にも細々したことは書いてみた。 送信ボタンを押すと、 「注文を受け付けました。1週間ほどでお届けします」 パロディーのホームページにしては面白いサイトだなぁ。 今度、友達に教えてあげようっと。 少し眠くなったので、今日はそのまま布団に入ることにする。 そして、いつもの朝を迎え、いつも通り会社に行き つまらない仕事をして、定時には、家に帰るという 特に何の変化もない、一日を過ごす。 そして、数日経っただろうか? 変ちくりんなサイトの事を忘れたころ 家に帰ると物凄い大きな荷物が届いていた。 あれ?私こんな大きな物頼んだ事あったっけ? それは、本棚ぐらいの段ボール箱で 結構重い。しかも差出人の名前が無いのに 私の名前だけが書いてある。 母親に 「あんた、また変な物ネットで注文したの? こんなのだから、結婚相手も見つからないのよ。 そんなにネットが好きなら、結婚相手も ネットで見つければ良いのよ!」 うるさい!それが、親の言うことか? そんな事言ってると、本当にネットで買っちゃうわよ。 私だって・・・・ と、言いながら、手際よく段ボール箱を開梱する。 その時、母親の嫌みが止まった。 いや、母親が止まったと言うよりも、 時間が止まったような気がした。 そして、私も開いた荷物を凝視してしまった。 透明なガラスケースに男性が入っていた しかも、生まれたままの姿の男性が・・・・ 私は、ビックリしたと言うよりも あまりにも自然だった。 何故だかわからないけれど、 自分の希望した男性が目の前に居る そんな感じだった。 その男性は、私と目が合うと 「やっとお会い出来ましたね。早帆さん☆」 と、私の名前を告げた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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