耐震強度偽装問題で、特定の構造設計士が構造計算書を偽装したことが問題になっている。これほど問題になるのは地震が来ると「危険」だからだろう。しかし、地震がきて危険なことは今回の事件に限った事ではない。阪神淡路大震災でも多くの犠牲者が出たのは偽装したからではない。合法的に建てられた建物が倒壊した。あれから10年経ったけど、建物の倒壊はおきないようになったのだろうか?実はほとんど変わっていない。学校や病院、不況下でも体力のある会社は耐震補強、免震構造への建替えを進めてきたが、多くのマンション、ビルは古いままである。特に1981年以前に建てられた建物は必要な耐震性能がないため危険なのだ建築基準法上は「既存不適格」という位置付けで「合法的に危険」なのである。マンション全体の10%、約200万戸が「合法的に危険」なのである。今回の事件で、被害者の住民に公的支援をするのは良いことだ。しかし「合法的に危険」な200万戸(人数で言えば600万人位だろうか?)はこのままでよいのだろうか?事が大きすぎて誰も言い出せない、住んでする人もあまりにも多くの人が対象なのでなんとなく安心してしまっているのではないか?アスベスト問題にしても「合法的な危険」が建築には多すぎる。建築基準法だけではなく自分の目で安全を厳しく見極めていかねばならない。
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
もっと見る