カテゴリ:建築
・事務所の前のビル解体→ビル建設 ・斜め向かいのビルの解体 ・更にその奥のビルの解体 ・2件隣の住宅解体→ビル建設 と、たて続けに。4件の建物が「解体」されています。 景気が良くなってきたのか。金利が上がる前に建設しようとしているのか? それはともかく、とにかくうるさい。 僕の事務所に電話をした方は、受話器越しに重機の音が聞こえると思う。 うるさい事に加え、不安なことがあるのです。 解体された4件の内1件は「鉄骨造の建物」なのである。 しかも築32年の鉄骨造の建物なのです。 鉄骨には火事の際の対策をして耐火被覆材が施されています。 30年前の耐火被覆材には「アスベスト」や「ロックウール」が使われることが多く、 「アスベスト」はもちろん「ロックウールに含有するアスベスト」もあるため、 乱暴な解体をするとそれらが空気中を舞って近隣に散ってしまうのです。 そしてそのアスベストは、吸い込むと、繊維が肺に突き刺さり20年場合によっては40年後に中皮腫や肺がんを引きこす危険な物質なのです。 解体業者の方に、 「この、建物はアスベストを使っていないのですか?」と聞くと 「この建物は大丈夫です。証明書も取っています。」との事 「では、証明書を見せてください。」とお願いし、証明書を見せてももらうと。 鹿児島の検査機関で検査済みで 「アスベストは入っていない」と書いてある。 「なぜ。鹿児島なんだ」と思いつつも、その検査機関に連絡して 耐火被覆材の採取は誰がやったのか聞くと、 解体業者が採取し、解体業者自らに、検査機関に送ってもらっているとの事。 ということは、 「例えば、解体業者が別の場所の耐火被覆材を採取し検査機関に送れば、アスベストが入っている解体物件でもアスベストは入っていない結果が出ることも有り得るではないですか?」と聞くと 「まあ、そうです。」とのこと 解体業者がしっかりした人ばかりなら問題ないが、 アスベストの産廃処理費を抑え、解体を安く受注しようとする業者が居ても不思議ではない。 とすると、 費用を掛けたくない為に、アスベストが入っている物件でも、アスベスト処理の対策をせずに解体することもあるのではないでしょうか? そう考えると背筋が寒くなるような問題です。 建築の「耐震偽装問題」も抜け道があったから姉歯のような人間が出現したのではなかったのか? 建築は、都市や人に与える影響が大きいだけに、 行政には、手遅れにならないように、慎重に対応してもらいたいものです。 でも、問題が起きない限りあまり期待できないのでしょうね。 気がついた時には、日本人の肺には無数のアスベストが刺さっている。なんて、悲しすぎなんだけど。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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