カテゴリ:医療福祉
墨田区にある墨東病院で痛ましいニュースがあった。
2008年10月4日、東京都内の妊婦が体調不良を訴え、江東区のかかりつけの産婦人科医に救急車で搬送された。その後、脳内出血の疑いがあることから、かかりつけ医は都内の周産期センターのある病院に搬送する依頼をしたが、8つの病院で入院を断られ、最初に断られた都立墨東病院に最終的に入院したが、妊婦は亡くなってしまった。同様のことが、奈良や札幌でも起こっている。 ボクは病院や医師は精一杯やっていると思う。こういった事件は、さまざまな問題が複合的に積み重なり繰り返されているのだと思う。 問題のひとつは、医師不足。 今回の事件では、一番初めに受け入れを断った墨東病院では本来2名以上いなければならない産科の当直医が土日祝日には1人になってしまったため、受け入れを断ったとのこと。明らかに医師不足が原因になっている。 医師の数が絶対的に少ないことはもちろんだが、働きたい医師が働けない環境が問題ではないだろうか?特に女医さんの場合医師と結婚することが多い。医師という職業は激務であるため、夫婦いづれかがメインになりいづれかがサブになることが多いのだろう。サブになるのは大体女医さんのほうであり、彼女らが、家事や育児を担うことになると病院でフルタイムで働くことは不可能になってしまうのである。その結果、勉強もしキャリアも積んだ女医さんが医療の第一線を離れていくのである。この問題を解決するためには、医療制度はもとより、医療従事者の子育て支援が急務ではないだろうか? ボクは医療施設の設計をやることが多いが、施設の管理者から医療従事者を確保することが難しいと良く聞く。女医さんをはじめ看護士さん等の女性の医療従事者の子供を保育、託児する施設が充実していれば、女性の医療従事者はもっと、もっと、社会に出てくるだろう。 医療従事者が働きやすいように、医療従事者の子育て支援などの環境整備が、必要なのではないだろうか? 実は、このことは、3年前の墨田区の基本構想審議会でも提案しているのだが、縦割りの行政システムでは、こういった戦略的な問題解決は難しいのだろうか? 少子化なのに産婦人科医不足って、なんかおかしい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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