春ごろから設計をしていた物件の確認申請が、昨日下りた。計画地は、墨田区内でも町工場が多く残る地域。狭い路地を歩いているとカタン、カタンという小気味良い音が聞こえてくる。薄い鉄の板の切り抜きをやっていたり、どこかに使うネジがコロンと路地の脇に置いてあるバケツに転がってきたり、焼きたてのお菓子が転がってくる工場もある。僕にはどういったパーツなのかわからないが、この地域で作っているのが世界シェアの90%をしめているパーツもあるという。日本のものつくりの最前線なのである。その現場は、作業所と住宅が上下につながっている職住一体の構成が多い。近年は、創業者の高齢化が進み、工場の耐震化とともに、バリアフリーへの対応も課題になっている。
建物は、工場と二世帯住宅。高齢の親世帯のためにバリアフリーの環境を整えた。この辺りは、道路幅が狭い密集市街地なので建物の高さも制約をうけ、大体が3階建て以下である。2階にテラスを設けると日当たりが良い外部空間が楽しめ、そこからの太陽の光を楽しむことができる。また、今回は、花火を見ることもできるように3階にもテラスを設けた。
福祉住環境コーディネイター(1級)のいる一級建築士事務所 かなや設計