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墨田区の建築家 「気まぐれブログ」

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2012年06月23日
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カテゴリ:建築
社会が複雑になり、専門家という人たちが増えている。何事も専門家に相談しなさいという風潮。果たして専門家ばかりで問題が解決するのでしょうか?
まず、身近な例えで、家の中が結露する。どうしたらいいの?どの専門家に相談すればいいの?建築の専門家に相談すれば「結露を無くすには室内の湿度を下げる必要があります。室内に洗濯物を干すとか、湿気が出ることは避けてください。」と言うでしょう。そこで窓を開け換気をし湿度を下げます。そうすると結露はしにくくなりますが、空気が乾燥して、喉が痛くなり、風邪を引きやすくなります。今度は、お医者さんに行きます。するとお医者さんは「室内の空気がが乾燥していると風邪を引きやすくなるので加湿してください。」と言います。今度は、加湿器を買ってきて加湿します。そして、湿度が上がりすぎると窓を開けて換気し湿度を下げます。そして、、、、、あれっ?何かおかしいな。専門家の意見は重要ですが、あなたの生活をトータルで解決してはくれません。そんなことがいっぱいあります。
なぜ、こんなことが起こるのでしょうか?それは、人を包み込む建物を建てるときには、安全、快適、コスト、維持管理のし易さ、省エネ、建築基準法、周辺環境との調和、趣味、収納、防犯、耐震性、耐火性、採光、バリアフリー、等多くの「要求項目」を矛盾なく組み合わせ一つの形にしなければなりません。それらの「要求項目」に優先順位をつけ全体を組み合わせ最適なものにしなければなりません。その組み合わせは何を根拠に誰が決めれば良いのでしょうか?
現代ほどではありませんが、昔も同じように悩んでいました。しかし、悩みに対して一つの知恵がありました。それは、風水のような技術です。風水は、中国で生まれ、数千年に渡り積み上げられてきた知恵で、重要な建物を立てる時の指針になっていました。風水の本質はインフラ整備だったのではないでしょうか?風水では、時の権力者にわかりやすいように、気の流れを龍の道に例えていますが、それは、水の流れであったり、風の流れを龍に例えていたのです。つまり、動力のない世界では水は高いところから低い所へ流れ、天変地異でも起こらない限り変わることはありません。そこで、地形を正しく理解すれば、給水と排水の問題を解決できます。京の都を作るとき大陸から高名な風水師を呼び、都の位置と骨格を決めたと言われています。そのためか、京都は、大きな水害、疫病苦しまず1300年の間都であり続けました。技術が進んだ現代において、過去の風水の中に答えがあることはむしろ稀になっていますが、過去においては、建物、時には都市の骨格を決める指標としては十分役立つ技術だったのです。
さて、現代のわたしたちは、風水に変わる総合的な知恵を持っているでしょうか?先の福島第一原発事故では、津波で発電機が水没し電源全喪失となり、とんでもない事態になりました。色々と反省すべきことはありますが、風水的思考方法で考えると、自然の中に置かれている建物という意識が無かったのだと思います。原子炉を海岸において、非常用ディーゼル発電機を2台隣りあわせて置く。何とも思慮にかけた対処療法的な作り方でしょう。そこには、災害の発生は考えておきながら津波が来たら隣り合った2台のディーゼル発電機が同時に機能不全になるという想像力が働かなかったようです。
100種類の専門家がいても全体の最適な組み合わせを考える風水師のような立場が不在だととんでもないことになる悪例です。
技術が進み社会が複雑になってきた今日、風水師のように、多くの「要求事項」を総合的に組み合わせ一つにまとめる能力が必要なようです。風水師のような建築家ということで、とりあえず「現代風水建築家」と言っておきます。

かなや設計





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最終更新日  2012年06月23日 17時57分12秒
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