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詩人たちの島

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September 26, 2006
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カテゴリ:作物

(初折表)

発句  泥鰌汁ちゞにくだけて宵の身は     解酲子
脇     クーバの唄を聴き果てし夏      蕃
第三  見放くれば少年故郷遥かにて     解酲子
四     深く息衝く秋の夕暮         蕃
五   誰も彼も携帯かざす窓の月        蕃
六     しばし渡せるかささぎの橋      解

 

(初折裏)

一   教へ子に神話教はる文化祭        蕃
二     華甲こえれば炭焼となる         解
三   ひりひりと正午の時にうたれつつ      蕃
四     蒜の籬に鳶を見ゆらん          解
五   猫の居る介護の家の朝もよひ       蕃
六     洗ひ物して寝かすをのこ等        解
七   声低くアリアをさらふ深き霧          蕃
八     沖天に月ほのかに白し          解
九   無垢は何芒と話す川の道          蕃
十     よしあしもなきかかる時世に       解
十一 昼酒の店は寂しき花のころ         仝
十二    焼き海苔の次は蕎麦なるべし     蕃

 

(名残折表)

一  春泥を踏ンで戸敲く友の家           解
二     ほんの一滴分かち合ふ也         蕃
三  さみだれや周公夢に見えざりき         解
四     道なき日にも矢の如くあれ         蕃

 

(めも)

蕃さん。
夏句を一つ入れておきます。二句が雑であるか、そうでなかったらどの季であるか、いちど書いておいたのですが、手違いで消してしまい、書き直したときにまんまと忘れていたのでした。でも何も申し上げないでも雑句をつくられるあたり、大兄もなかなか隅に置けない。愚句の周公うんぬんは、ご存じのとおり論語にある孔丘の嘆きです。ほんの一滴分かち合うイデアの根源です。次句は雑か、または夏句をもう一つ続けても面白いかも知れません。

解兄、
愚句も論語「衛霊公第十五」の七から、ほとんどそのまま取りました。原文は「直なるかな史魚、邦に道あるにも矢の如く、道なきにも矢の如し」です。なかなか恋の気配は漂いませんね。それどころじゃないということでしょう。






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Last updated  September 26, 2006 11:01:59 PM
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