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昨日は、首都大に行った。瀬尾さんの新詩集『アンユナイテッド・ネイションズ』をもとにした朗読パフォーマンスを主にこの大学の学生からなる演劇集団「TOLTA」「竹生」が合同で公演するのを見に行ったのである。ゲストとして当の瀬尾育生と稲川方人のお二人が招かれていた。プログラムは一部、二部に分かれていて、各々の部のパフォーマンスの次に、瀬尾・稲川のトークが置かれているという構成である。
ぼくの発見は、瀬尾さんのあの難解な語彙にみちた詩が結構朗読に適したリズムを持っていたのだなというものだった。朗読といっても、男女ふたりの、静謐であったり、激しかったりの声の掛け合いであり、その周囲を舞踏ともつかぬ動き、白いシャツに黒いズボンをはいた数名の男女がいろんな所作をしながら、朗読されている詩の全体を盛り上げるというか、あるいはさらなる違和をそれに付加するかというようなものであった。スクリーンに映像も流され、音楽も入る。全体に工夫を凝らしたものだった。 瀬尾・稲川の一部での対談は面白かった。ノートをとって聴いたのだが、ここでその内容について書くことは省略しよう。ただ瀬尾さんの「90年代以降、ただ詩のみにコミットすることで世界を書くことができるようになった」という発言があり、そのことの実践が『アンユナイテッド・ネイションズ』だったのかという思いを新たにした。 懇親会もあり、ぼくの気持ちとしては、瀬尾さんの出版記念会という思いが強くあったので、そこにも出た。公演の会場(91年館)から丘一つ越えた会館(宿泊施設も持つ)まで結構歩いた。「都立大」に何回も来ていたのに、ここは初めてであった、大学の広さを実感した。その後の二次会は駅前の飲み屋でやったが、もう時間も遅く、最後までいることはできなかった。稲川さんとも立ち話だが初めて話をした。神山さんや倉田さんとも久しぶりに会った。特に神山さんとは久しぶり、去年は体調が相当悪かったらしい。
瀬尾さんのこの詩集と同時に出た評論集『戦争詩論』の二冊の書評を書かなければならないのだが、よく承諾したなと自分で自分の無謀さにあきれつつも、やるしかないという気持でもある。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
November 12, 2006 10:55:35 AM
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