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詩人たちの島

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November 24, 2006
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カテゴリ:politics
ニューヨークタイムズのダウドのコラムを久しぶりに読んだ。"Lost in the Desert"というタイトルで、イラク政策の打開策で窮状に陥っているブッシュ政権を批判するのがその要旨である。上院の公聴会でのJohn Abizaid将軍の発言を痛烈に揶揄している、たぶんそうだと私の語学力で推論する。この将軍は二つの、互いに論理的に「不和at war」な提案を主張したというのだ。

 将軍の発言。イラクに今より少ないアメリカ軍の部隊を考えることはできない、なぜならイラクがわれわれを要求しているからだ、しかし今より以上の数の部隊を投入することもできない、なぜなら我々はイラクが我々を頼るのを望まないからだ。次のようにも強く主張した。我が軍隊の増強はイラク政府をおかしくするだろう、しかし同様にその削減は宗派間の暴力を強める。

 じゃあ、どうすればいいのか、と誰でも考え込んでしまう。ダウドはこれを貧しいオプションであると批判する。オプションにもなっていないからだ。イラクの惨状、そのsectarian violenceはとどまることを知らない。今日も大規模なテロがあり、イラク政権発足後で最多の死者が出た。選挙での敗北以後、ラムズフェルドを更迭し、イラク政策の変換が論議されている最中の出来事である。アメリカのプレゼンスも凋落の一途をたどっている。

ダウドはこのコラムの書き出しを、その昔の国民的なコメディアン兼ミュージシャンのJimmy Duranteの歌の引用から始めていた。

"Did you ever have the feeling that you wanted to go and still have the feeling that you wanted to stay?"

 だれも、もう残りたいとは思っていないだろう。しかし、このゲルニカのような惨状をイラクにもたらしたのはだれか?ダウドは次のような比喩で、さっきの将軍の発言を批判する、彼の発言は「ゴールディロックスがゲルニカに会うように聞こえた」というのである。

 暇を盗んでの貧しい勉強の報告だが、ゴールディロックスとは以下のようなものである。

-- 英語圏では超有名な童話"Goldilocks and the Three Bears"の主人公。ブロンドの女の子Goldilocksが森で3匹のクマさんの留守宅に迷い込む、というお話。

 彼女は、無断でお父さんグマのおかゆをひとさじ食べ、too hotと文句を言い、次にお母さんグマのおかゆを食べ、too coldと文句を言い、子グマのおかゆはjust right(ちょうどいい)と言ってたいらげます。

 次に、お父さんグマのいすに座りtoo hardと文句を言い、お母さんグマのいすに座りtoo softと文句を言い、子グマのいすに座りjust rightと言うんですけど、彼女はいすを壊してしまいます。

 いすの次は、お父さんグマのベッドに横たわりtoo hardと文句を言い、お母さんグマのベッドに横たわりtoo softと文句を言い、最後に子グマのベッドに横たわってjust rightと言って眠ってしまいます。

 そのうち、クマの家族が戻ってきて、口々にSomebody has been eating my porridge!などと言い、子グマのベッドで寝ている彼女を発見。彼女は子グマの声に驚いて逃げ出す、というお話です。

 このストーリーから、Goldilocksは、1.不法侵入者、2.えり好みが激しい人、3.浮気の相手の代名詞、としてよく使われるようになりました。

 まず1の例は、空き巣が徘徊している、という意味で、

 Goldilocks is loose.

 と言ったりします。

 2は、えり好みが激しい人をGoldilocksに例える、という形が最も一般的。今年のアメリカ大統領選で、民主党にも共和党にも属していない無党派層の人たちは「民主党はtoo liberalで、ブッシュはtoo right wing」と文句を言っているため、

 They are like Goldilocks.

 とよく言われています。また、これから派生した使い方で、「ちょうどいい、しっくりくる体験」のことをa Goldilocks momentと言ったりもします。例えば、ブラインド・デートの相手が、背が高すぎず低すぎず、あまりにシャイではないけど押しが強くもなく、ちょうどよかった、という場合などに

 It was a Goldilock moment.

 と言えます。

 3は、3匹のクマさんたちが口にするSomebody has been sleeping in my bed.というせりふに由来する例えなので、基本的には、夫やボーイフレンドが家に連れ込んだ浮気相手のオンナのことをGoldilocksと言うんですよね。浮気を察知した女の人が、男を問いつめて、

I know Goldilocks is sleeping in MY bed!

Where's your Goldilocks? I know she's sleeping in our bed!

 などと言うわけです。--    週間ST ONLINE より引用。

 ここから考えると、ダウドは将軍やブッシュ政権のイラク政策そのものを、「不法侵入者」として、不法侵入者が、侵入した砂漠で迷っている、その砂漠はゲルニカ同様になっており、ブロンドの主人公Goldilocksにゲルニカが理解できぬように、大人である将軍やブッシュも、自らがつくりあげ、まねいた「ゲルニカ」であるのにもかかわらず、too hot, too coldと矛盾した発言を無責任にも繰り返すしかないのだということを言おうとしているのだろうか。

 首都の親父知事も、「画家」の息子の公費海外出張問題などをつつかれたときに、かわいらしいGoldilocksの真似をして、政治家としてのパブリックな発言とはまったくことなるnepotisticな発言、「彼は画家としては有名で、その道の人を多く知っている」などという発言を恥ずかしげもなく記者たちに投げ返すのである。ぼくはもちろん、この親父のこの息子の名を画家としては知らない。また親父自身の高額な出張費の問題についても、なんらやましいところはないと断言なさる。

 こういう場合は、Somebody has been sleeping on our taxというのであろう。






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Last updated  November 24, 2006 10:32:44 PM
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