カテゴリ:連詩
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この足がふらつく この心がふらつく 帝国からの移住を夢見る蟻 群れこそがネットワークなのだと蜜蜂たちはうるさい そうだよ、いつものように 足は大地に、心はきみに埋もれてゆく そこで生きてきた 叱られ、矯正され、切られ、ゆがんでいる そのすべてが花に見られている 禁じられた、禁じている煙草を、静かに深く吸い込むと すべてが回転する この足が彼岸を踏む 彼岸から返却される心、蟻塚たち (英己) 2 蜜蜂の時代は終わったが 記憶が甘い時間をもたらすこともある 夢を見て笑っているときみは言うが あれはわたしの半身で小さな羽根のあるやつだ あいつのために心は煙のよう いつも上の空だった 後の半身は名付けようのないもの いつのまにか内側に堆っている 重い、だが泥ではない それは 闇の中の未発の光源のようなもの (豊美) 3 夢を見ながら 叫ぶ者 若く、半身をうすむらさきの空に溶かして 心にはいつも戦争がある その飛ぶ姿を 私は見てしまったが もう少し飲みたかった JR横浜線の相原駅でおりて「哀原」の物語に迷い込む者 泥と歓びを区別することもなく 女神の前に立つ その舌が「ひそかに 我が舌をぬらした」甘い時間を盗むために (健二) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
February 16, 2007 09:02:19 PM
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