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詩人たちの島

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March 6, 2007
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カテゴリ:書評
NegriとHardtの『マルチチュード』上・下(NHKブックス)をやっと読み終わる。やっとというのは、この本が面白くないというわけではない。こちらの都合のこと。すばらしく、興奮させられた本であった。彼らは本気で「革命」を語る、シニシズムなど一切抜きに。でも、その考察は冷静である。彼らの革命の基盤になるのが、マルチチュードという概念である。絶対的な多数、というような響き。単一なるものに還元されない多数、差違を保ちながらの多数による「共」を目指すというのが二人の戦略である。グローバルな「帝国」下におけるデモクラシーの可能性を追求する。彼らのデモクラシーの定義は、ネグリのスピノザ読解からくるものらしいが、「絶対的民主主義」というものである。それは簡単にいうと「全員による全員の統治」ということが目されている。近代の政治学の根本概念である「主権」概念を彼らは脱構築するのである。しかし、その仕方はあくまでも、現在の状況のなかのリアルな可能性の発見と、それに即しながらだから、説得力がある。

この本に描かれたマルチチュードの一員であるという自覚と戦略を、この私は現在もてていない、もてるかどうか不安である、しかし、彼らはそういう人間を「啓蒙」しない、いや「指導」しない、受容するのである。前衛と大衆などという考え方をいまだに保持している化石のような政治家や人間などに、読んで欲しいとも思った。





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Last updated  March 6, 2007 10:06:30 PM
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