カテゴリ:essay
今日、同僚から2冊の本を頂戴した。いずれも吉増剛造さんの初版本で、今はない小沢書店から出された豪華なものだ。加納光於の見事な装丁にかざられた『朝の手紙』と『螺旋形を想像せよ』。後者をめくっていたら、鮎川信夫について、吉増さんが書いた「深い闇に立つ詩人」という素晴らしい文章に遭遇した。そこに引用されている鮎川の詩に打たれた。
木を伐り倒す男らしく 空をいくらか明るくした それからは人に会わない 背をこごめて街中で生き 手と膝をついて歩くこともあった いまでは腰がいたむ 空はいつもくもっていて 男はしきりに木に還りたがった 「帰心」 という短いものだ。こういう感じ、それが今の自分にぴったり合っている。還るところはどこにもないけど。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
March 7, 2007 10:07:08 PM
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