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詩人たちの島

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April 8, 2007
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――なぜ人々はこんなにも頑迷で理を悟ることができないのだろう。なぜ彼らは自身の隷属を誇りとするのだろう、なぜ人々は隷属こそが自由であるかのように自身の隷属を「もとめて」闘うのだろう、なぜ自由をたんに勝ち取るだけでなくそれを担うことがこれほどむずかしいのだろう、なぜ宗教は愛と喜びをよりどころとしながら、戦争や不寛容、悪意、憎しみ、悲しみ、悔恨の念をあおりたてるのだろう――

ジル・ドゥルーズはその「スピノザ・実践の哲学」で、スピノザの「神学・政治論」(1670年)の根底にあるモチーフを上記のように要約している。大げさな感懐かもしれないが、今日の統一地方選の「結果」が出現して、そこにいたるプロセスをかえりみるとき、17世紀のオランダの現状を観察したレンズ磨きの職人であり哲学者であったユダヤ人の感懐に寄り添うかたちでジル・ドゥルーズが要約したような気持と同じにならざるをえない。

この気持にはどんな注釈も必要ではない。

もう一つ、闘うスピノザの姿を描いた文章を同書から引用して、私一個の自戒と励みにしよう。

―― どのようなかたちで生きようと、また思惟しようと、つねにスピノザは積極的・肯定的な生のイメージをかかげ、ひとびとがただ甘んじて生きている見せかけだけの生に反対しつづけた。彼らはたんにそれに甘んじているというにとどまらない。生を憎悪する人間、生を恥じている人間、死の礼讃をはびこらせる自己破壊的な人間がそこにはいて、圧制者・奴隷・聖職者・裁判官・軍人の神聖同盟をかたちづくり、たえずこの生を追いつめては、それをさいなみ、じわじわなぶり殺しにかかり、法や掟、所有権、義務、権威をもってそれを塗りこめよう、窒息させようとしている。まさしく世界におけるそうした徴候をこそ、そうした全自然や人間そのものに対する裏切りをこそ、スピノザは診断したのだった。―― ジル・ドゥルーズ『スピノザ 実践の哲学』(鈴木雅大訳・平凡社ライブラリー)

これを書いていた今、杉原先生とのメールがつながった。うれしい。





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Last updated  April 8, 2007 11:38:56 PM
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