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June 5, 2007
カテゴリ：作物
おい、一本足で立ってみよ
なんかあるなんて思わせぶりだぜ 徒手空拳のままで、差違について語ってみよ identityなんて笑わせるな なにもない、なにもない、静かにしなさい なにもないことを教えてやるよ 対称とか二分とか二元とか、そうだなあ 拉致の対称は連行か、空間の分割における力の強弱か そこに投げいれられた偶然性と必然性の闘争だよ 戦前と戦後の復讐と反目さ おい、一本足で立ってみよ なんかあるなんて思わせぶりだぜ こうしてぼくは静かな生活にもどり 「詩人の恋」などを聴く ふり、をする 20時11分と、パソコンのデジタル時計が おろかにも時をつげるのです はなはだしき受動の生よ すべての能動なふりに呪詛をあびせながら ぼくは「詩人の恋」を聴きなおす パイレーツのまねをして頭にタオルを巻き‥ 突き刺すのはこの魂の消えうせたメタボラの肉‥ ハイネの反抗 ツェランの灰 ベンヤミンの閃光 ロビストたちのお金のことを考えながら オバマやヒラリー 安倍やメルケル、サルコジたち、プーチンたち 絶滅収容所の新たな建設など 暗いことばかり考えていた 辺境の友人からの手紙 「ヒデミ、ナショナリズムにもいたらない、きみたちの思考と愛好の浅さを、深く愛しているよ。ここでは格差は一本足と二本足のようにアンバランスだ。ぼくはメキシコに逃げたい、トロツキーのようにね。昨日、官憲の手入れがあった。グローバリズムを誹謗したという罪状でぼくはナショナリズムの報復の血祭りにあげられる栄誉をあたえられそうになった。バラや犬や象たちには関係がない。それがぼくの唯一の反論さ。大笑いになった。アメリカとはそういうところだよ。普遍が特殊な形できみを抱きしめるのさ、リタイアしたら、ここに、この青い屋敷に逃げておいで。そのひたすら内向きの、じめっとした国から。でもぼくはいないよ、ぼくはナショナリズムの密偵たちから逃走して、そう、たぶん、フリーダのような激しい女に捕まえられて、セックスレスではない生をロレンスのように生きるのだから、ここには、いないよ。普遍が特殊な装いで、なんて、ぼくにはたえられないよ。きみたちの島国には、白砂青松ということばがあるね。ああいう、自然のずるい欺瞞こそ、ぼくが望むものだよ、そうだろう、この辺境には、文化などなにもないからね。医療保険も、パスポートも、ぜいたく品だ。裸の民主主義、だれもが夢を実現するためにさびしい殺戮を強いられているのだから、正直という名でね。」 おい、ずっと一本足で立っていよ ひりひりとした砂漠にここがかわるまで 徒手空拳のままで、差違について語ってみよ identityなんて笑わせるな なにもない、なにもない、静かにしなさい なにもないことを教えてやるよ お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう
Last updated
June 5, 2007 09:32:05 PM
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