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というメールが、アメリカにいる娘から届いた。彼女を悲しませたのは本当に悪いが、ただ単にこれは生理的な老化の問題であり、精神的なものではないから心配しないで、と返信した。
いずれにせよ自分の調子が悪かったのはたしかだ。今日、一時間休暇をとって、いつもより早く帰宅した。テレビを見ていたら、戸井十月が出演しているルポルタージュがあった。ゲバラの生涯を追ったものだ。彼がボリビアで捕まったときに、その最後に彼と話した小学校の先生だった女性へのインタビューが記憶に残る。若くてなにも知らなかった自分を変えたのはチェだったこと、彼は自分の勤めていたイゲラ村の小学校に連行されて、そこで酔った兵士から銃殺されるのだが、彼の面倒を見るようにいわれた私に、外に行って様子を見てくれと何回も言ったが、こわくて私は行けなかった、そして彼のために生涯の昼食を私は作ることになるが、そのスープを飲み終わったチェは、おいしかった、ありがとうと言ってくれた、それでも彼はその食事が最後の食事になるとは思っていなかったようだ、また様子を見てきてくれというので、家に帰って母に相談している最中に、銃声が聞こえた、それがゲバラの最後だったのだ、私は何も知らなかった、でもそのあとの人生で、彼が言った通りであること、貧しいもののために自分は闘っているのだ、妻や子どもよりも自分の思想が大切なのだということが、身にしみて分かった、私はいろんなことを言われた、ゲバラの女だろうとか、だけど、本当に私は彼を心から今誇りに思う、彼のために最後のスープを作ったことを、‥とその女性は静かに戸井に向って話していた。 時のボリビア政府の後には当然アメリカがいた。捕虜を殺すことは条約違反なので、権力はそれをごまかしたが、そのごまかしを見抜いた当時の若いボリビア人医師へのインタビューなども。そして外国から自国を乱そうと侵入してきた悪者だと思って、ゲバラの遺体を見にいったた女性は、その顔のあまりにも静謐なことに驚き、「キリストそっくりだった」と語る。 こういう番組を見ると、静かな勇気がわいてくる。老いを嘆くには早すぎる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
June 8, 2007 08:09:05 PM
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