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教育法案、参院で質疑 「教育現場を一新」と首相 (共同通信)
参院文教科学委員会は19日午前、教員免許更新制などを導入する政府の教育改革関連3法案に関し、安倍首相と伊吹文科相が出席して質疑を行った。首相は、教育改革を政権の最重要課題と位置付けていることに関し「公共の精神や地域、国を愛する心などを教えていかなければ日本は滅んでしまうのではないか。今こそ教育の再生、改革が必要だと信じる」と強調。「3法案成立により教育現場が一新されていくと確信する」と述べた。 教育3法、20日に成立=与党の賛成多数で可決-参院文科委 (時事通信) 参院文教科学委員会は19日、教育改革関連3法案について採決を行い、与党の賛成多数で可決した。3法案は20日の参院本会議で可決、成立する見通し。 以上のような記事がある。様々な委員会で与党は「強行採決」を繰り返し、彼らが言う「重要法案」を参院の本会議で可決しようとしている。「日本は滅んでしまうのではないか」とこの祖父以来の三代目が本気で考えているのだとしたら、日本を滅ぼすのはご自身ということに決定したようなものである。この内閣主導の「法案専制主義」というようなものがハシカのように力を奮っているさまをながめると、よくもここまで日本の政治も「来にけるかな」と感慨をもらさずにはおれない。これを支持率40パーセントを切った内閣がやっているのである。野党なるものの存在意義を疑わざるをえないではないか。 「論座」で『想像の共同体』の著者、ベネディクト・アンダーソンのインタビューを、前に拾い読みしたことがある。そのとき覚えているのは、一国の首相が同国の「レジーム」を変革するなんて話は聞いたことがないというものだった。彼の結論は、こういう首相のスタンスはあくまでも内向きのものであって、そんなことを真剣に取りざたしている「同盟国」などありはしないというブッキラボウのものだったように記憶する。 明治までのレジームを変えたのは「黒船」だった。戦後までのレジームを変えたの(そう見えるとして)は敗戦と、民主主義だった(このときばかりは彼らはいつでも「強制」という彼らにはタブーになっている言葉を使用するのであるが)。その「戦後」のレジームを変えると意気込んでいるのはabeというわけだ。かれはこの国のレジームをどういうものに変えようとしているのか?「公共の精神や地域、国を愛する心などを教えていかなければ日本は滅んでしまうのではないか。今こそ教育の再生、改革が必要だと信じる」というような方向へ?これこそまさに閉じこもり、内閉の最たる考えではないのか。今時、よくこういうことを恥じも衒いもなく、言えるよ、というのが私の正直な感想である。坂口安吾にならって、「滅びよ、堕ちよ」というのが少なくともabeの意見に対する誠実な処し方である。国民の最低限の生、も保証できなくて、なにが「国を愛するこころ」だ。 そもそも教育はいつから死んでしまったのか?本当に死んでいるのか? もし、「死んでいる」と見えるなら、それはきみたちが「死んでいる」からではないか。閉じこもりや労働の忌避を生み出したのは、きみたちの「政策」の帰結ではないか。労働力を経済効率(コスト削減)のうえから分断したのは、きみたちと経済界の結託の帰結ではないか。そういうことを率先してやりながら、「規律」はともかく、「愛」を要求することなんて、できるはずがない。死者たちの冷たい「改革」の果てに、むしろそれに対抗するものたちの閉じこもりと熱い忌避がいまだにあることをこそ寿ぐべきである。そこから「レジーム」は決定的に破れてゆくことを信じる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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