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詩人たちの島

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July 6, 2007
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カテゴリ:politics
いろんなことがはっきりしてきたのだが、その最たるものは、このクニはクニの体裁をなしていなかったのだということである。

年金記録の問題は東京オリンピック以前に遡るということだ。クニ自体が、記録の消失や錯誤について、なんらの説明責任を果たさず、それを逃れてきたということ、その年月の長さを思いやると、よくも、まあ、ここまで成り上がってきたものだという感慨を持たざるをえない。

単に行政の一部門の問題などではなく、このクニがこのクニの国民をどう「遇す」べきか、その明らかな結果が、今、白日のもとに暴かれているのだ。江戸時代の方がもっと責任ある行政府の長官などがいたにちがいない。あるいは町人たちの方がもっと気概があったにちがいない。「打ちこわし」や「一揆」が起こっても当然ではないか。血税にも等しいものを、このクニは水に流して、頬被りをし続けてきたのだ。こんな馬鹿な制度だったら、だれも払いたくないのは当然だ。唯一の公共放送と称する局に少なからぬオアシを吸い上げられるのと比べることはできないが、全く逆な意味で「申請主義」を私は、N局には強く勧めるものだ。

蒙昧を飾るのは、いつも徳なき二代目、三代目たち、デクノボーたちの政治ショーである。ほんとうに、こいつらは、われわれを、なめきっているのではないか?すべてを選挙のためのパフォーマンスに化して、半分以上の無党派を馬鹿にしているのではないか?いや国民のすべてを。

上のようなことを書く気はさらさらなかったのだが、こう書いてしまうと、枕にも結論にもならない、汚い言葉だけが宙に浮いているが、消さずにおこう。

フューラー気取りをした若い首相は自らの内閣が果たした、(これは私の言葉だが)「法案専制主義」のマイナス面については一顧の反省だになく、もちろん弁明責任など気にかけることなく、ひたすら数の横暴によって「強制」的な「法」への変化を、十指にあまる重要な「法案」で成し遂げたのだが、この人の罪は取り返しがつかないほどのものではないだろうか。そういうことを最近考える。彼は自らのそういう仕方の「権力」の維持が、このクニの奥底に眠っているデモーニッシュなものを再度目覚めさせるかもしれないということを、知っていてやっているのだろうか?お坊ちゃんの仮面に隠されたものを、側近の若い「有識者」連中は解っているのか。



この支配者階級は、誰に対しても、ましてや自分自身に対してはまったく弁明義務を負わず、そそり立つ高みに君臨し、すぐにも自分の商品の唯一の消費者になってしまいそうな生産者に見られる、スフィンクス風の相貌をしている。ファシストたちの国家は、このスフィンクスの顔をして、新しい経済的な自然の秘密として古い自然の秘密の傍らに並んで立っているのだが、この古い自然の秘密は、ファシストたちの技術においては、解明されることはまったくなく、みずからの最も脅迫的な相貌を見せつけている。もろもろの力が形成する平行四辺形、すなわち、ここでは両者―自然と国家―が形成している平行四辺形において、その対角線が戦争なのだ。(ヴァルター・ベンヤミン「ドイツ・ファシズムの理論」ベンヤミン・コレクション4 筑摩学芸文庫より)」




「古い自然の秘密」とは、媒介されることを許さない原(ウル)ドイツ的なるものであり、そういう意味で「日本」的なものである。これを、単なるイデオロギーとして片付けることはできない。1930年に出たエルンスト・ユンガー編の論集「戦争と戦士」の書評としてベンヤミンは書いているのだが、第一次大戦の敗戦をドイツ観念論的に、つまり「貴族的」な戦死とか戦争という「たわごと」でドイツの敗戦を隠蔽しようとする論者たちに対する痛烈な批判だが、これを読んで私が思うのは、以下のようなことである。

このクニの若くて、primeを自認する男は、自らの重大な職責を本当に考えているのか。考えているとしたら、彼が率先し、そして成立した法案たちの、これからのなりゆきを最後まで「責任」をもってみてほしいということである。「法案」栄えて、クニ滅ぶ最後まで。

こういうことだ。きみは「古い自然の秘密」とともに滅ぶがよい。しかし、ぼくらは、拒否する。













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Last updated  July 6, 2007 09:57:00 PM
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