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詩人たちの島

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August 9, 2007
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カテゴリ:politics


「この子どもたちに何の罪があるのでしょうか」

 原子爆弾の炎で黒焦げになった少年の写真を掲げ、12年前、就任まもない伊藤一長前長崎市長は、国際司法裁判所で訴えました。本年4月、その伊藤前市長が暴漢の凶弾にたおれました。「核兵器と人類は共存できない」と、被爆者とともに訴えてきた前市長の核兵器廃絶の願いを、私たちは受け継いでいきます。

 1945年8月9日午前11時2分、米軍爆撃機から投下された1発の原子爆弾が、地上500メートルでさく裂しました。

 猛烈な熱線や爆風、大量の放射線。

 7万4000人の生命が奪われ、7万5000人の方々が深い傷を負い、廃虚となった大地も、川も、亡きがらで埋まりました。平和公園の丘に建つ納骨堂には9000もの名も知れない遺骨が今なお、ひっそりと眠っています。

 「核兵器による威嚇と使用は一般的に国際法に違反する」という、1996年の国際司法裁判所の勧告的意見は、人類への大いなる警鐘でした。2000年の核不拡散条約(NPT)再検討会議では、核保有国は全面的核廃絶を明確に約束したはずです。

 しかしながら、核軍縮は進まないばかりか、核不拡散体制そのものが崩壊の危機に直面しています。米国、ロシア、英国、フランス、中国の核保有5カ国に加え、インド、パキスタン、北朝鮮も自国を守ることを口実に、新たに核兵器を保有しました。中東では、事実上の核保有国と見なされているイスラエルや、イランの核開発疑惑も核不拡散体制をゆるがしています。

 新たな核保有国の出現は、核兵器使用の危険性を一層高め、核関連技術が流出の危険にさらされています。米国による核兵器の更新計画は、核軍拡競争を再びまねく恐れがあります。

 米国をはじめとして、すべての核保有国は、核の不拡散を主張するだけではなく、まず自らが保有する核兵器の廃絶に誠実に取り組んでいくべきです。科学者や技術者が核開発への協力を拒むことも、核兵器廃絶への大きな力となるはずです。

 日本政府は被爆国の政府として、日本国憲法の平和と不戦の理念にもとづき、国際社会において、核兵器廃絶に向けて強いリーダーシップを発揮してください。

 すでに非核兵器地帯となっているカザフスタンなどの中央アジア諸国や、モンゴルに連なる「北東アジア非核兵器地帯構想」の実現を目指すとともに、北朝鮮の核廃棄に向けて、6カ国協議の場で粘り強い努力を続けてください。

 今日、被爆国のわが国においてさえも、原爆投下への誤った認識や核兵器保有の可能性が語られるなか、単に非核3原則を国是とするだけではなく、その法制化こそが必要です。

 長年にわたり放射線障害や心の不安に苦しんでいる国内外の被爆者の実情に目を向け、援護施策のさらなる充実に早急に取り組んでください。被爆者の体験を核兵器廃絶の原点として、その非人道性と残虐性を世界に伝え、核兵器の使用はいかなる理由があっても許されないことを訴えてください。

 爆心地に近い山王神社では、2本のクスノキが緑の枝葉を大きく空にひろげています。62年前、この2本の木も黒焦げの無残な姿を原子野にさらしていました。それでもクスノキはよみがえりました。被爆2世となるその苗は、平和を願う子どもたちの手で配られ、今、全国の学校やまちで、すくすくと育っています。時がたち、世代が代わろうとも、たとえ逆風が吹き荒れようとも、私たちは核兵器のない未来を、決してあきらめません。

 被爆62周年の原爆犠牲者慰霊平和祈念式典にあたり、原子爆弾の犠牲になられた方々のみ霊の平安をお祈りし、広島市とともに、核兵器の廃絶と恒久平和の実現に力を尽くしていくことを宣言します。

 2007(平成19)年8月9日

 長崎市長 田上富久




いまでも、この日本でさえも、核保有を考えるべきだと言った某N二世議員の発言などが記憶に新しいのだが、参院での大敗後は沈黙を決めているらしい。今回の選挙の後に特筆すべきものとしては、民主の小沢代表がテロ特措法の延期をしないと明言したこと。それに対して訪米中の小池防衛相が時代遅れの発言とか何とか言って揶揄したという、これは女房から聞いたので定かではないが。その後の、8・6と8・9の広島、長崎の両市長が「平和宣言」において完膚なきまで、安倍政権の「平和憲法」軽視を批判したこと、これに尽きる。

与党の大敗は、この「美しい国」政権(最近は全然このキャッチフレーズを聞かなくなったが)を、ともあれ瀕死の状態に追いつめている。その帰結として、今まであった、ある息苦しさが少し解消されたような感じが私にはある。それは民主党の勝利の結果では決してない。圧倒的な多数をたのみ、味噌もクソも一緒にしたような「法案」を強行成立させてきた与党のやり方が反発を買ったのにすぎない。「改革」というのは議会での多数派のみの、しかも「上流」のみの、経済界の指導者たちのみへのエールに過ぎなかったのではないか等々。落ち着いて考えてみれば、何が「改革」なのかよ、ということだったのだ。劇場政治から日常政治への転換が底流にあったのだ。そういう潜在的な与党に対する嫌気に民主が乗ったというだけで、この政党の本音はこれから試されてゆくことになる。私はこの政党の「教育」政策を見ていきたいと思う。東京都の教育を破壊したのはこの政党の議員の発言から始まるからだ。

原子野のクスノキは62年生きたうえに、その二世の苗を平和の祈りとして恵むようになったという。この国の2世、3世の政治屋たち、それにに核保有などをほざいて恥じない「遅れた指導者」たちには、とてもまねのできない尊い生というものである。山王神社の、そのクスノキの前に、生徒たちと頭をたれてたたずみ、被爆者のガイドさん(この人も亡くなられた)の熱意ある説明を聴いたのは今から10年も以上の前のことであった。彼はその日も原爆症からくる高熱におかされていたのだが、ぼくらをずっとガイドしてくれた。そういう人たちの連なりと積み重ねてきた平和への苦しい努力が無視されるような世の中を平気でつくろうとしてきたのが、これまでの、とくにこの与党政権だったのではないのか。クスノキは視ているよ!












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