詩人たちの島

先々日だったか、その前だったか、天気予報の姉さんが、明日はか今日はか、それも忘れたが「十三夜」ですと話していたのを覚えていた。「後の月」である。今日職場の帰り、６時半頃、八王子の空に出ていた月は、きれいだった。望月だが、透き通るような感じで、あえかな美しさだった。

土曜日の朝早くから徳之島に向けて、飛ばなければならない。たぶん、十五年ぶりくらいかもしれない。この前に行ったのを正確に覚えていない。祖母の１３回忌だから、祖母が島の「共産党病院」（この呼び名のなつかしさよ）に入院していたときに見舞ったのが、そうであろうから、たぶんそれ以下ではない時間が経過したのである。私が生まれたところに帰るのだ。裸で生まれて、裸で死ぬ、空の空である、それを予感しに私はたぶん祖母に呼ばれているのだ。それだけを深く思って、私は帰ろう。

空の空、空の空、いっさいは空である
…
日は出で、日は没し
その出た所に急ぎ行く
先にあったことは、また後にもある
先になされたことは、また後にもなされる
日の下に新しいものはない　　『伝道の書』