カテゴリ:作物
4時半頃に散歩に出かけたら、西空が黄金色に輝いていて、まぶしかった。
山越の阿弥陀像も、こんな輝きをまとっているんだろう。 当麻の二上山のことと、折口のことが頭をよぎっては消えた。 寒かった、城跡の池は、すっかり落葉で埋まっていて、その下で、 鯉が息をひそめていた。 池の周りにそびえている樹木の名は沼杉といって、これは 別名だが、本名は落羽松(ラクウショウ)という落葉樹である。 松なのに落ちる。 落ちて、さびしい鯉たちのための羽毛になりなさい。 大きなもので50メートルを超えるという、 そこまで丈高く生を刻む深い皺の年輪、 波紋が広がると、 細身の鯉が静かに顔をのぞかせた。 半月が懸かっている。 猫たちが集ってきた。 バブル期に立てられた数体の人体彫刻が、 廃棄物のように並んでいる。 そこにまぎれて生きた人体になる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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