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行かなかった道 ロバート・フロスト 駒村利夫 訳
黄ばんだ森の中で道がふたつに分かれていた。 口惜しいが、私はひとりの旅人、 両方の道を行くことはできない。長く立ち止まって 目のとどく限り見渡すと、ひとつの道は 下生えの中に曲がり込んでいた。 そこで私はもう一方の道を選んだ。同じように美しく、 草が深くて、踏みごたえがあるので ずっとましだと思われたのだ。 もっともその点は、そこにも通った跡があり 実際は同じ程度に踏みならされていたが。 そして、あの朝は、両方とも同じように まだ踏みしだかれぬ落ち葉の中に埋まっていたのだ。 そうだ、最初眺めた道はまたの日のためにと取っておいたのだ! だが、道が道にと通じることはわかってはいても、 再び戻ってくるかどうかは心許なかった。 今から何年も何年もあと、どこかで 溜息まじりに私はこう話すだろう。 森の中で道が二つに分かれていて、私は― 私は通る人の少ない道を選んだのだったが、 それがすべてを変えてしまったのだ、と。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
February 27, 2008 11:04:33 PM
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