the State of the Union message
ブッシュ君の一般教書を読んでいると、実に物騒な単語が一杯出てきます。悪名たかきpatriot act(愛国者法)の時限(来年で切れる)の延長をさりげなく要求することから始まるこのスピーチは分かりやすすい自己正当化のかたまりだが、日本の何を言っているかわからない内閣の首班たちの演説よりも実に率直である。よくも悪しくも「アメリカの偉大な責任」についてこれだけ語られると、もう世界のほかの国々、とくに彼が名指しで読み上げたクニ(わが日本はBritain,Australiaの次でしたね、3番目にpartnersの一人として読み上げられたので誰かさんはきっと喜んだでしょう)以外のクニはあらゆる分け前から除外されると同時に面目が立たなくなる、そんなふうに仕組まれた演説でした。これを書いたライターは一体だれ?テロとの戦いに対して、「もっとも親密なわれわれの同盟国は動揺していない、そしてアメリカの情報機関で働く人々や外交官たちは熟練した連中であり、疲れを知らない人々だ」というような一節。ここまで言われて、動揺していないでしょうね、小泉さん。次の一節、As democracy takes hold in Iraqi, the enemies of freedom will do all in their powers to spread violence and fear. They are trying to shake the will of our country and our friends- but the United States of America will never be intimidated by thugs and assassins. The killers will fail, and the Iraqi people will live in freedom.ちょっと私訳してみる。「イラクの地で民主主義が根付くにつれて、自由の敵どもは暴力と恐れを撒き散らすためにあらゆることをやるだろう。わがアメリカと友人たちの決意を弱めようとして。しかしわが合衆国は殺し屋や暗殺者の脅かしには決して負けない。殺人者どもは必ず失敗し、イラク人は自由を勝ち取るであろう。」こういうことを大声で喋るときっと元気がでるだろうな。しかし、この元気のため多くの人々がまた殺されてゆくのである。それにしてもthugs and assassinsとはよくも言ったものである。凶悪犯と暗殺者。このように決め付ければ、正義はもう自分たちが独占するよりほかにはないではないか。こう決め付けられた人々の正義は?大義は?どんなに彼らのいう「テロリスト」を一掃しようとも、「テロリスト」は無尽蔵に湧き出てくるだろう。なぜなら、このような正義の独占そのものがテロリストを生み出すものであることは明らかだから。