ワッツとは? 【ハロルドの言葉】
WABAニュースレター秋特別号に掲載されていたハロルドの記事を日本語訳しました。ワッツフォーラムをご覧下さい。Watsu - Closeness, Immersion and a Still Base by Harold Dullなっちゃん、日本語訳お疲れ様でした。イヤ~、これを訳すのは本当に大変だったと思います。これでもまだ、詩人ハロルドの文章としては実践的な文章で、訳すのも簡単なほうなんですよ。ハロルドは、水中で低く構えることに「immerse」という言葉を使います。直訳としては、「水に浸かる」です。水中で立っていることを「immerse」とは言いません。肩まで沈みこんで、初めて「immerse」と言います。要は、浮力と重力の微妙なバランスの中で、辛うじて姿勢を保っている状態。「sink」でもなければ「float」でもない状態のことです。ワッツで最も基本的で重要な姿勢のことを指しています。また、「immerse」はキリスト教の洗礼の一つである「浸礼」も意味します。ハロルドは特にキリスト教に傾いている人ではありませんし、東洋の精神世界にも非常に精通している人ですが、信仰深い人なのは間違いありません。もしかしたら、水に浸かって身を清める儀式に、少し意味をカブせているかもしれません。で、この記事の中心になっているのが「Still Base」という言葉です。これは、どうしても訳しにくい造語ですので、訳中はそのまま「Still Base」と表記しています。少しここで、背景情報を含めてご説明しておきます。ハロルドは、様々な水中のボディワークが次々と開発される中、「ワッツとは何か?」という核心について答えています。ワッツを独特のものにしている3つの特徴を挙げています。Closeness ワッツならではの、非常に近い距離感です。Immersion 浮力と重力の狭間の位置を指しています。Still Base 「動」と「静」のうち、「静」が元であるという考えです。例えば、「ヒーリングダンス」というボディワークがあります。ほかにも「ジャハラ・テクニック」「ウォーターダンス」「ファイア&ウォーター」…これらは「ワッツと何が違うの?」という質問もしたくなりますが、言ってみれば、「この3つの特徴がない」という答えになるわけです。「静」と「動」に分けて考えたとき、私たちは、どうしても「何かをする」ことに意識を奪われがちです。ワッツを学ぶ過程でも、友人にワッツをするときでも、レシーバーを抱えて「次に何をする?」ばかり考えていませんか? すべての「動」は、「静」から生まれる 「する」ことよりも、「いる」こと 「静」を共有することで、「動」は自然に生まれるハロルドはそんな宇宙的な話をしてるんです。ま、簡単に言うと「こっくりさん」みたいなものですかね… (^o~)いずれにしろ、これがStill Base(=「静なる源」)の考え方です。またそれが、ワッツを他のボディワークとは全く異質のものにしている要素とハロルドは説明しています。されど、言うは易し。去年の夏、ミナクシのセッションを受けたとき、ミナクシは、ボクの背中の1点にピタッと来ました。ボクは車の運転をするとき、右腕をハンドルの上に乗っけるクセがあります。そのため、長い運転の後は、右肩甲骨の横に決まってしこりができます。ミナクシが指を置いて離さなかったのは、その1点でした。ハロルドの説明からすると、アレもStill Baseから伝わってくる直感、ということになるんでしょう。やはりハロルドやミナクシの一流のフリーフローを受けると、「まだまだ先は長い… 一体、たどり着けるのか…」としみじみ感じます。