このテーマで三日くらい下書き書いてます。いつまでもアップできないので、とりあえず書きあがった3冊だけ上げよ。
イロメ |
隣りの |
亡羊の嘆 |
【イロメ】収録作の半分は雑誌で見てたんですが、通しで読んで初めて繋がってるのに気づいた~!同じ学校を舞台にした、短編集です。
表題作は生徒×先生。イロメっちゃなんじゃサロメ?と思ったのですが、「色目」でした。ごく短い話なのですが、不器用な教師の不器用なメガネ越しの視線と、大型へたれワンコ生徒がとても印象深い話です。
同じく大型ワンコ生徒×大型乙女先生の収録作中最長編の「カオス」は、無駄に色男の先生の繊細な葛藤と混乱(=カオス)が切ない。混乱した先生のピースを繋ぐワンコの、こちらは一途なひた向きさに、すべてが収束するラストにはたまらない愛しさが湧きます。正にフラクタルな話の構成も見ものです。表題の2人もチラリと登場(つか先生は結構出てる…)。
他に童貞攻×非童貞受の同級生ものと、ふてぶて新入生×大幅留年お花ちゃん先輩が収録されていますが、どれもスキスキ光線を発している方の気持ちが揺らがないので、非常に安定して読みやすく、かつ陥落される方の反応が秀逸です。各作品の後にそれぞれおまけ4コマと草間先生のコメントがあるんですが、カバー下と合わせてこれも秀逸というか、サイコーです(爆笑)カバー下は全作読了後にどうぞ。
【隣りの】腰乃さんはひそかにマイブームな作家さんです。
絵柄は粗削りですが意外とシンプルで読みやすく、ちょっと描写が直接的ですがそこがまた隣のにーちゃん達の恋愛事情的な作風に合ってるの。
お話は、テーマというかポイントがしっかりしていて、登場人物が一癖あってキャラが立っており、独特なテンポのセリフ回しやモノローグと相まって、魅力的で確固たる世界を築いています。
そう、この方モノローグとコマ数がやたら多いのですが、その画風のせいか、詰め込み過ぎ!って気がしなくて、逆に短編集なのにこの読みごたえはどうよ、という感じです。
表題作は、引っ越してきたアパートの隣人がホモであることを知ったノンケのリーマンくんが、最初は警戒心バリバリだったのに、意地と口は悪いけれど意外と面倒見のいいホモにほだされて、隣人→友人→ドキドキとなっていく過程を実に丁寧に描いています。
特別ドラマチックな出来事がある訳ではなくて、普通に関係を深めていくうちに、ふとしたしぐさ、行動に惹かれていく様が妙にリアルで、釣りこまれちゃうの。みんな一途で一緒にドキドキしちゃいます。
ただ、Hシーン満載のうえ、これでもかの直接描写なので好き嫌いは分かれるかも…
【亡羊の嘆】これはBLじゃないけどニアホモ(爆)ということで。椹野道流先生の鬼籍通覧シリーズ、待望の新刊です。
今回もいつ人外が出てくるか、ドキドキしながら読んでたんですが…あり?最後まで出てこなかったよ。ってかそんなの出てこなくってもめちゃ怖…ッ!!今回は、サイコミステリーです。
お茶の間で人気の料理研究家がメッタ刺しの上、腹部に円形の九等分に九つの創傷を刻まれ、その九つの凶器を体の周りにぐるり並べられた猟奇的な状態で発見され、解剖にあたったO医大法医学教室のお騒がせ姉弟がいつものごとく事件に巻き込まれていくのですが…
正しく布石を拾い、途中までは読めてたんですが、最後のどんでん返しに背筋が寒くなりました。読めてたんじゃなくて、読まされてたんだな、と唸る巧さです。
このシリーズでは常に常ならざる死に関わっていく訳なんですが、閑話「飯食う人々」をクッションにしつつも、特に今回は「人の命」「自分の命」の重さや周りとの関わりについても考えさせられる場面が多々ありました。
しかしとりあえず、面白かった!!の一言に尽きます。
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最終更新日
2008.08.28 00:21:04
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