カテゴリ:Rock
さぁ、そしていよいよ「地獄のロックライダーIII 最後の聖戦」についてです。 先ずは一曲目、モトリークルーのニッキー・シックスの「モンスター・イズ・ルース」、最初に聞いた時は、「大したことないな。」と思いました。 なにせ、大傑作の「地獄のロックライダーII 地獄への帰還」の一曲目は「愛にすべてを捧ぐ」ですから、あの始まり方に比べたら、「モンスター・イズ・ルース」なんて勿体付けただけの曲に思えるのです、でも・・・。 続く二曲目の「ブラインド・アズ・ア・バット」はグッと心を掴まれます、地獄のロックライダーの原題、「Bat out of Hell」にかかるコウモリ、それだけで憎いなと思いつつ、なによりミートローフの感情を絞り出す歌い方、「これはIIIもそれなりにイケるのでは?」と少し期待が出来そうだと思いました。 次、3曲目はセリーヌ・ディオンのベストで既に聞いていた曲で、ジム・スタインマンの曲の使い回し、ミートローフ版はデュエットになっています。 オリジナルはジム・スタインマンのパンドラズ・ボックスなんでしょうか?パンドラズ・ボックスで聞いても面白くないんですよね。 「愛にすべてを捧ぐ」と同じように聞けて、あのビデオも頭に浮かんでくる、美女と野獣をイメージしてしまいます。 3曲目でやっとジム・スタインマンの曲が出てくると、「やっぱりジム・スタインマンの曲があってこその地獄のロックライダーだな。」という思いが強くなってしまう・・・。 曲はセリーヌ・ディオンの「私の上手な歌を聞け!」というプレッシャーが無い分、気持ち良く聞けると思う。 4曲目もジム・スタインマンの使い回しで、この曲はクイーンのブライアン・メイのギターが入ってるのが売り。 最初にブライアン・メイがギターを弾いてると聞いた時は、フェノメナIIIでブライアン・メイに少し弾いてもらって、それをやたら強調するのと被って、「ちょっとどうなの?」とあまり好意的には受け取れませんでした。 曲を聞いてみると、別にギターはブライアン・メイじゃなくてもいいんじゃないか?と(今でも)思うんだけど、あのギターの音で一気にブライアン・メイもしくはクィーンの世界になっちゃうところがさすがだなと感心します、フェノメナよりも恩恵があるような気がする(^^;。 そして5曲目「クライ・オーバー・ミー」、最初のクライマックス。 もうミートローフの声、歌にどっぷりハマれる曲、5曲目にして、「あぁ、地獄のロックライダーはIIIも大丈夫だ。」とここから安心してIIIの世界に入って行くのです。 6曲目の「豚の国ではブッチャーは王様」はいかにもミュージカルっぽいんだけど、これもジム・スタインマンの曲で、このアルバム用のオリジナルじゃないですかね?どうでしょう。 後半で速弾きのギターソロがありますが、これはスティーブ・ヴァイだったような気がします、メチャクチャ速いです、適材適所と言えるでしょう。 次の「モンストロ」と「アライブ」は最高のクライマックス。 もうこの辺から曲順、曲名どうでも良くなってきます(笑)、とにかく感動的で大袈裟な感じが、「待ってました!」と言いたくなります、これを待ってたんです、ミートローフのアルバムにはこういうのを期待しているんです。 次も2曲続けて、もう曲名も覚えてません(^^;。 どちらもエアロスミスが演奏してもいいんじゃないか?と思うのですが、特に9曲目はスティーブン・タイラーの歌でも聞いてみたいなと思います。 10曲目もどことなくパンプ以降のエアロスミスが演奏しても違和感ない気がしてるんですが、なんと言ってもミートローフの歌です、バラードじゃなくても聞かせる歌心、特にタイトルの「If It Ain't Broke, Break It」を色んな表現で歌い切るのがしびれます。 そう、この曲を聞いて気づいたのが、ロックライダーIIでも他のアルバムの曲でも、ミートローフの歌って『 表現力 』が豊かなんですよね。 所謂美声とか上手いとか、正確さがどうとかじゃなくて、表現力だと思うんです。なにかのインタビューで「俺の歌は映画的。」と読んだ気がしたんですが、本当にそうだなと思いました。 俳優もやるだけあって「映画的」と言うのはそんなに不思議じゃないんですが、歌詞の歌い方ひとつで目に浮かぶ情景が変わっていくような、そんな視覚的な表現力が、ドラマチックな曲にピッタリなんだと思います。 そしてやってくる11曲目、最上のクライマックス。 ここでもう11曲目ですよ、しかも6分とか7分とかの曲が多いのに、全然長ったらしく感じません。 この「ホワット・アバウト・ラブ」、聞く度に感動します、もう何回でも感動します。 曲の構成も複雑と言うか、何重にもなってるけど、それが全部心に突き刺さってきます、「あぁ、歌ってこんなに気持ちを昂らせるんだな。」と思います。 ここでアルバムが終わっても大満足でいられたでしょう、でもそんなに甘くないのが、IIIの凄いところ。 次はジム・スタインマンのミュージカル「ダンス・オブ・ヴァンパイア」の使い回し、「シーズ・ザ・ナイト」、これがまた凄い! このアルバム中、最大のクライマックスだと思うのです。 ミュージカルの曲だけあってモロに大袈裟なイントロ、そこから続くロックパートに移ってからのこれまた大袈裟な展開、IIの後半を盛り上げた「お嬢ちゃんは天国に、でも不良少女はどこへでも行ける」のギターリフが出てくるのもうれしい。 オペラチックになったかと思えばまたロックと、展開がコロコロ変わるのに、そんなのお構いなしで歌い切るミートローフの素晴らしさ! どんな場面でも余裕なんじゃないかと思わせるミートローフの存在感、とにかく盛り上がる一曲です。 この曲があまりに素晴らしいので、オリジナルの「ダンス・オブ・ヴァンパイア」のCDも買いましたが、こちらはこれまた不思議なくらい印象に残らないと言うか、実際にミュージカルを見た人でないとピンと来ないんじゃないかな?と言う記憶しかありません、確か二枚組を買ったのに・・・。 約10分、聞いてるだけでヘトヘトになるような曲が終わると、待っているのがこのアルバム最後のクライマックス、13曲目。 13曲目ですよ!12曲目なんか10分あるんですよ! なのにまだクライマックスが続きます、しかもこの曲、約8分(笑)。 ゆったりとしたスタートからデュエットの女性ボーカルが入って、余韻を引っ張るのかと思いきや、ドンドン、ドンドン盛り上がってきます(^^;。 もう最後は「ホワット・アバウト・ラブ」同様に感動します、音楽って本当にいいですよね・・・。 この曲、パンドラズ・ボックスのアルバムでもラストなんですが、結局ジム・スタインマンの曲にはミートローフの声、歌が無いとダメなんだと思います。 そして最後の最後、ほんのちょっとした曲で余韻を引っ張ります、このラストがあるから、散々盛り上がっても落ち着くだな、と妙に感心しました。 アルバム通して聴くと約1時間20分、スタローンのコブラと大して変わらない時間です、正に映画を見た後のような充実感を味わえます。 とにかくクライマックスにつぐクライマックス、こんなに次々に盛り上げていいのか?と思うほどです。 スターウォーズで言えば、大ヒットしたスターウォーズの後に帝国の逆襲がきて、その次に帝国の逆襲、またその次に帝国の逆襲、そして最後に大興奮かつ納得のジェダイの復讐(実際はガッカリでしたが)が出てくる感じです。 良く分からない? 宇宙戦艦ヤマトで言うと、白色彗星をやっつけたと思ったら、都市帝国が出て来て、更に都市帝国が出て来て、更に更に都市帝国が出て来て、ラストは・・・みたいな感じです(^^;。 これだけ盛り上がると、一曲目が「『 大したことない 』モンスター・イズ・ルース」で正解だと思うんですよね、「愛にすべてを捧ぐ」みたいな曲から始まったら、とてもその後が続かないと思うんです。 それに使い回しの既存曲とダイアン・ウォーレン達超大物の曲をうまく繋げる役目も果たしているように感じます、技あり!。 この「地獄のロックライダーIII 最後の聖戦」は長距離出張の帰りに車で聞いてます。 昨年夏の仙台出張の帰りも聞きながら走ってました。 とにかく盛り上がるので眠くならないんです、そして約1時間半、終わった頃に休憩みたいな感じで丁度良いんですよ。 ミートローフ、本当に楽しませてくれてありがとう! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022.01.22 22:06:02
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