ようこそ！「雲の上はいつも青空」

以下は、いつもご搭乗下さる「早起き幸ちゃん」さんから先日の

『みすみ港祭り　～続編～』 記事にお寄せいただいたコメントです。

【「みすみ港祭り」懐かしいです。これもまた子供たちが小さい頃１０数年前の話ですが、

一泊２日で天草の竜ヶ岳キャンプ場に行ったその帰りに立ち寄りました。】

こちらに因んで、"龍ヶ岳"でのキャンプの思い出について語りたいと思います。

"天草"という「雲仙天草国立公園」に指定されているこの地は

熊本県南西の島嶼部に位置し、温暖な気候と美味しい海の幸が有名。

全国的には意外と知られていませんが、天草はハモの名産地でもあり、

主に関西方面に出荷されています。

よく長崎県と思われていますが、ここは熊本県です

山と海があり、風光明媚なとても美しいところです

 サニーの中学校は、１年から２年に上がる時にクラス替えがあり、２・３年次はありません。

イベント事にとても熱くなる、団結力のある楽しいクラスメイトたちでした。

２年の時の担任の先生が定年退職され、３年では新しく赴任された先生に変わりました。

この先生がとても面白く、怒る時はメチャクチャ怒る、可愛がる時はメチャクチャ可愛がる、

生徒の気持ちの解るメリハリのある先生で、みんなからとても慕われていました。

見た目がタレントの所ジョージさんに似ているので、生徒からは「ジョージ」の愛称で

親しまれていました。ある生徒は先生に「ジョージア缶コーヒー」を買ってきて、

「はい、先生」と、「GEORGIA」の"A"を手で隠して渡したり、また、ある保護者は

生徒がみんな「ジョージ、ジョージ」と言うものだから、先生の下の名前は本当に

「ジョウジ」だと思い込み、家庭訪問の際に「ジョージ先生」と呼んでしまったなど、

仲の良い、やるときにはやる、とても元気の良い楽しいクラスでした。

そんな仲間たちの誰からともなく、最後の夏休みにキャンプに行こうとの話が浮上。

即、クラス全員一致で実行体制に入ります。実行委員会を設置し、保護者に連絡。

しかし保護者側は、「受験生なのに　絶対ダメ」と猛反発

まずは保護者の説得からです。夜、何度も公民館に集まっていただき、

実行委員数名で説明したり、お願いしたり、ちゃんと勉強はしますと約束したり・・

サニーも実行委員でしたが、保護者の視線は、針のむしろのようなものでした。

しかし数名の保護者が賛同してくれるようになると、ポロポロと許可して下さる

保護者が増え、粘り勝ちで実行に漕ぎつけたのでした

次は場所選びです。海か山か。これも保護者の意見が分かれましたが、

せっかくなら欲張りたい。海も山もあるところを探してきて報告したら

しかも、交通手段は保護者の方たちが何台もお車を出して下さることになりました

（サニーの町からだと、片道２時間半ほどかかります。

運転手である保護者は、世話人としてキャンプに参加です。）

あとは、みんなの意見を取り入れながら、実行委員で楽しい楽しい準備です

２泊３日で、１日目は肝だめし　２日目にキャンプファイヤーなど予定を組みます。

肝だめしは、ネタバレしないよう隠れて小道具を集めたりするのがまたワクワク

吊るしたコンニャクを突然落としたり、白いシーツを被った人が出てきたり・・

実行委員と保護者の一部がお化け役ですが、男女ペアでくじ引きにするとサニーも

参加しないと人数が合わず、男の子と歩きました。仕掛けは知っているものの・・

ギャーギャー　で楽しかったです

肝だめしのクジ引きって、誰と当たるかドキドキしますね

その後は、さすがジョージ　天体観測です

ジョージは理科の先生です。満天の星空を教育題材に、

懐中電灯で星を指しながら夏の夜空を教えてくれました

龍ヶ岳上空のしし座流星群

５～６人ずつバンガローに泊まりました。

昼間泳いで疲れているはずなのに、夜遅くまではしゃいでいました。

ある子がニタッと笑うと・・　　ギャー　お歯黒

何かと思ったら、当時流行りの黒いチューインガムを、

みんなを驚かせようとして歯にピタッと貼っていたのでした

この仲間とは普段から昼休みによく怪談話をしており、この夜もしましたが、

山の中のお手洗いに行くのがみんな怖くなり、連れ立って行きました

２日目の日中は、また山を散策したり海で泳いだりしました

ここから、事態は一変します。

遊泳中の実行委員の男子のひとりの足に、何かゴツンと当たったそうです。

みんな盛り上がって悪ふざけするので、最初は誰かが潜って足を

引っ張ろうとしているのかと思ったそうですが、自分も潜って見てみると、

そこには沈んで動かないクラスメイトの姿があり、大慌てでみんなで引き揚げ、

水を吐かせました。すると、幸い呼吸はかすかにしているものの、意識はありません。

遊泳中に持病の発作を引き起こし、溺れてしまったのでした。

田舎ですから、救急車の到着するまでの長いこと長いこと。

ハラハラしていたので余計長く感じたのでしょうが、ずいぶん長い時間待ちました。

真っ青な顔をして、最寄りの（といっても遠い）病院に運ばれて行きました。

当然ながら、キャンプは打ち切り。

学校に戻り、連絡を待ちますが、いい知らせは入りません。重体のまま・・

全員で、千羽鶴を折ることにしました。

翌日も、翌々日もみんな学校に集まってくれ、折りあげた千羽鶴を

先生に託しました。その翌日、快方に向かっているとの知らせが入り、

みんな拍手喝采で喜んだのでした。その後、彼は元気になり、

持病の薬を飲みながら普段と変わらぬ学校生活を送り、一緒に巣立ちました。

保護者を無理に押し通してさせてもらったキャンプでこのような事態となり、

実行委員として大変な責任を感じましたが、「持病があったとは誰も知らなかったから」と

保護者からは一切のおとがめのお言葉はなく、ただ彼の快復を喜んで下さいました。

キャンプは途中で中止になったけれど、クラスのみんなの結束がさらに強まりました。

「キャンプ」「天草」「龍ヶ岳」などと聞くたびに、今でも思い出す青春のエピソードです