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読売新聞「日本の知力！第２部科学で考える６」に掲載されていました。

「届け宇宙人への手紙

・・・宇宙には１０００億の銀河があり、各銀河は１０００億の星（恒星）を持つ。この広大な宇宙で、地球人は孤独な存在なのか。それとも宇宙は生命で満ちているのか。古代ギリシャの昔から、人類は『宇宙の隣人たち』に強い関心を抱いてきた。

各時代を代表する知の巨人の多くが、その存在を当然視していたという事実には驚かされる。カントは目に見える惑星の少なくともひとつには住民がいるだろうと述べた。ライプニッツも世界の複数性を信じていた。『全知全能の神が宇宙を充満させなかったはずはない』といった考えが人々を支配していた。・・・

地球外知的生命探査（ＳＥＴＩ）の推進者カール・セーガン博士は、われわれの銀河に高度文明は１００万あると推定した。もっと多い見積もりをする天文学者もいる。

ＳＥＴＩの手法は宇宙文明が発する電波を望遠鏡で『聴く』のが主流。６０年にドレイクが手がけてから半世紀になるが、人工的、意図的と断定できるような信号はまだどこの天文台でも受信できていない。（フェルミのパラドックス）

人類は、宇宙へ向け『ビンにつめた手紙』も送り出している。米航空宇宙局（ＮＡＳＡ）が７０年代に打ち上げた４機の探査機だ。人体図などを彫った金属板を載せたパイオニア１０号が最も近い惑星系に到達するのは西暦３万４５００年ごろだ。各言語のあいさつなどが録音されたレコードを搭載するボイジャー１号は今、太陽系を離れ、宇宙人に拾われるのを夢見ながら地球から１６０億キロ地点の闇を飛ぶ。・・・

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国立天文台長　　観山　正見　氏

・・・他人を見れば自分のことがいっそう深く理解できるように、地球人類も『ほかの進化劇』を見ることで、自分たちの進化劇がきわめてまれな幸運の結果だったのか、宇宙ではありふれたシナリオだったのか、などもわかる。

顕微鏡ではなく、望遠鏡で生命進化が解き明かされる時代が来る。・・・

地球外文明はずっと理性的なものかもしれない。自分の感情を上手にコントロールし、他人を信頼し、共存の知恵の発達した文明だったら、学ぶところはたくさんある。

もし彼らと電波で交信し、交流することができるとしても、それは何万年も先になるだろう。『宇宙の隣人』と本当に出会いたいと望むなら、自分たちの文明をその前に滅ぼしてしまうような愚行は避けなければならない。」

ＳＥＴＩの探査が始まり半世紀。宇宙からの手がかりはまったくないとは残念ですよね。いるのなら何万年も先でなく何とかコンタクトの方法を見つけて時空を超えて、早く会ってみたい気がしますよね。