Law & Order: S.V.U. #80 Mercy
難病の子供の命を奪うのが慈悲の心からやむを得なかったのかどうか、非常に重いテーマでした。まずは、「テイ・サックス病」という病気について理解しないと行けないのかも知れません。(wiki)遺伝病でユダヤ人に多いらしく私自身は初めて聞く病気でしたが、日本にも患者さんがおられるようです。それとは別に、ゲスト陣におなじみの顔が揃っていました。LOSTのジュリエット役Elizabeth Mitchell、NUMB3RSのパパ、アラン役Judd Hirsch、そしてプリズン・ブレイクでケラーマン役だったPaul Adelsteinがなんと、同じ「ケラーマン」という役で出ていたのは、偶然だったのでしょうか。(爆)Elizabeth Mitchellは100%同情すべき人に見えないのは、彼女の持ち味なのでしょうね。ハドソン川でクーラーに入れられた生後1ヶ月の嬰児の死体が見つかる。飲んでいた母乳から鬱病の薬の成分が検出されたことから、母親が産後鬱病の薬を飲んでいた疑いがあった。遺留物や状況から、近くのハドソン大学の関係者の中に、産んだ子供を捨てた者がいるのではないかという疑いから、SVUは学生ボランティアが行っている妊娠テストの結果を令状を取って手に入れる。それによると、自分のIDで15歳の妹の妊娠テストを受けさせたエレンの名前が挙がるが、妹は厳しい父親を恐れて中絶していた。検死の結果、赤ん坊がテイ・サックス病の患者であることがわかり、難病の子供を安楽死させたのではないか、という疑いが生じた。SVUはこの病気のサポートグループから、第一人者のDr.プラットナーの名前を聞き出し、患者のサラ・ブラウンが肺炎で死亡したという報告をしているのを突き止める。しかも、プラットナーは母親に薬を処方していた。プラットナーがしゃべらないために、令状を取ってサラの遺体を検死しようとすると、棺桶の中は空で、ついにプラットナーは母親アンドレアの頼みで薬を処方し、サラが苦しむ前に安楽死させたことを認める。アンドレアは娘の病気を知ってパニックになっていたという。SVUはアンドレアの単独犯行だと見るが、父親が全く関わっていないことに疑問を持つ。プラットナーが取引を申し出て、サラの父親がテイ・サックス病が多いユダヤ人ではない事を明かす。親子鑑定のためにDNAの提出を求めるが、父親は提出を拒み、サラの父親はアンドレアの職場の同僚でケラーマンであることが判る。妻は不倫をしてサラを身ごもり、ケラーマンは兄がテイ・サックス病で死んでいた。キャボットはサラの病気が明らかになれば、不倫が明らかになることをアンドレアが恐れて、殺したとして起訴する。アンドレアの行動が「慈悲」に基づいた安楽死かどうかで争われ、判決は第2級故殺で有罪となる。非常に重く苦しまなければならない病気でも、母親が子供を殺さなければならなかったのかどうか、それ以前に不倫がばれるからといって殺さなければならなかったのか、どちらの理由であっても、アンドレアの罪は免れないと感じました。そもそも、夫を裏切ったアンドレアの行動に陪審員の心証は悪かっただろうし、まあ妥当な判決かなと思います。それとあとは、Elizabeth Mitchellの表情ですね。髪の毛を黒く染めてイメージは違いましたが、やはり単に気の毒な母親だけには見えない、どこか嘘をついているように見えてしまう。(爆)始めは医療記録などのプライバシーの開示問題でもめるのかと思いましたが、殺人事件の捜査ならしかたないという話でスルーされた感じ。あと、前半で妻と娘にDVの疑いのある父親の話も、その後どうなったのか気になります。いずれにせよ、亡くなった子供が気の毒です。どんな事件であれ、SVUの場合は後味は悪いですね。