CSIマイアミ 9-16 Hunting Ground
『サバイバルゲーム』デルコ役、アダム・ロドリゲスの初脚本、初監督作品。彼はもちろんキャストの一人としても参加しているので、本当に大活躍でした。CSIマイアミを誰よりも知っているアダムだからこそ、描くことができるシーン、ツボが山盛りで、本当に楽しかったです。すばらしい!としか言いようがありません。ブラボー、アダム!マイアミが最もマイアミらしい場所、エバーグレイズ。初めての脚本にここを選んだのはARなら当然でしょうね。水と緑が美しいエバーグレイズで、何者かに追われ、傷ついた若者が矢で射られる。その若者から胸のロケットを奪おうとするもう一人の若者。ロケットには愛する家族と思われる写真が入っていました。叫び声を聞いたという通報を聞いて、Horatioがボートに乗って現場を探しているシーンは、まさに第1話でHoratioとEricが登場するシーンに重なります。"Tuez-me !" 「なぜ殺してくれというのだ?」若者が話すフランス語を理解するHoratio。そうです、彼だってそれくらいのことは判るんですね。(爆)ゲーム・ハンティング用の矢で殺されたらしいと、Ryanはケーブルでその手の番組を見るのが好きなようです。一応、先ほどの若者が容疑者と見なされることに。被害者には足首にこすれたような傷と、熱いもので押し当てて着けたような数字の9があった。すぐに、非道な人間狩りが頭に浮かびます。パークレンジャーが目撃していた車から、すぐに容疑者が挙がる。Watkins役のEddie Jemisonは、シーズン1の「Deadwoman Walking」に出ていましたね。Watkinsはエバーグレイズで珍しいランを探していたという。これは法律で禁止されている行為なので、自らどうぞ逮捕してと手を出す男に、Frankは「ランだって?」とあきれ顔でした。英語を話さない容疑者にスペイン語で質問するEric。ハイチから来たというので、Walterがフランス語を話すのももっともだと、流ちょうに質問し始める。Walter、発音がきれい、すばらし~殺されていたのはEnriqueで、尋問を受けていたJean Lucmanにも数字の10が着けられ、足首に傷があった。2人とも、同じ「獲物」だったわけですね。「ナニモ、シラナイ」なんだ、英語話せるじゃん。現場で犯人が矢を放った場所を探すNataliaとRyan。「こちら干し草の山(haystack)、針(needle)どうぞ。」なーんか、じゃれ合っているみたいでかわいいですね。この2人。野生動物が嫌いなRyanがヒルに噛まれていましたが、これもシーズン1にありましたね。Calleighの足にくっついているヒルをHoratioが取ってあげるシーン。現場で見つかった弓はCalleighの銃器ラボへ。yeah ! 出産後、1週間のお休みで現場に復帰したCalleighがシャキーンと弓を射っていました。さすが、かっこいいですね。シェイプアップするのはこれからなのでしょう。徐々に登場シーンが増えるのかも知れません。JeanとEnriqueは良い暮らしをさせると言われてマイアミに来て、ある場所に捕らわれていた。Jeanは弟のHenriが捕らえられているので、怯えていた。HoratioがJeanに「きっとみんなを助ける。ここで待っていてくれ。」と男の約束をしていましたね。Hは有言実行の男ですから、ARもそれをよく判ってこういうシーンを作ったのでしょうね。Calleighが矢の出所を突き止めて、HとRyanがWesley Habeckの作業所に行く。「警察に顧客の名前を言ったら商売ができなくなる。」「商売をできなくさせるにはたくさんやり方があるよ。」あ~良いですね、Hらしい皮肉なな一言。にやりとさせられます。矢を買った一人は株ブローカーのSteve Raymerで実に嫌な感じ。モニターから目を離さないので、電源をブチッ!またまたNataliaが良いところを見せますね。キューバやハイチから人身売買を行っている組織(コヨーテ)のJavier Lopezのところに突入するデイド署の警官たち。この画面もとても新鮮で、ダイナミックです。やはり、監督が替わると違いますね。Enriqueの妻子を見つけたHoratioは、人払いしてEnriqueが殺された事を認める。いつものように気の毒な女性の手を握って「すまない。(I'm sorry)」というH。「お願い、こんなことをした奴を探して!」もちろん探しますとも。HoratioはRyanと共に、Javierを脅す脅す。(爆)「誰に売ったんだ?」ガスコンロをひねるH、Javierを押さえ込むRyan。上司の意を汲む部下ですね。コンビネーション抜群です。さすがに、今回だけはHの暴走は気になりませんね。やはりあのオヤジは嘘を付いていた。Wesley Habeckが人間ハンティングの元締めだと判って、Hは次のハンティングの場所を調べるために、バンにGPSを仕掛ける。「これはチャンスだ」もう一人、ランを探していたというWatkinsとEnriqueに接点があった。「びっくり、びっくり。お前はラン大好きじゃなくて、人間大好きだろ。」Frankの取り調べは面白いですね。「あいつがどこからともなく現れて、襲いかかってきたんだ。」「は?」もう、絶好調。WatkinsとRaymerの関わりをCSIとして突き止めようとするNataliaは、Traversからヒントを得る。わーい、ハンサムで清潔なイメージのTraversはまだまだラボにいてもらわなくてはなりません。ヒルに血を吸われたRyanのことを言われて「彼は誰からも好かれるから。」って、もう。(笑)ヒルに噛まれたかどうか、株ブローカーに服をめくるよう命令するNataliaに、男が口説こうとしてるシーンも良かったですね。Enriqueを殺したのはRaymerだと判ったが、これから獲物にされるHenriたちはどうなったのか?Hのアイディアがヒットして、バンの居場所がわかった。エバーグレイズに急げ!クライマックスはスピード感のある演出でしたね。ハンターを後ろから蹴り倒すNatalia。"Get down on you, dirt bag!"うわ~勇ましい。今週のNataliaは女王様ですよね。Hは、悪の元締め、Wesley Habeckの元へ。言わば、大ボス対決ですね。「必殺仕事人」でいえば、中村主水の出番。(笑)Habeckにライフルを向けたHは、「今から15秒やろう。命をかけて走れ。14秒、俺だったらもう走っている。Wes、走れ!」ああ~、たまらない。これは今シーズンのevilなHoratioとはまた別の話ですね。視聴者が大好きな、悪者を懲らしめるHoratio Caineです。「ライフルを向けられると怖いだろう。少なくとも彼らは威厳を持って死んだ。」おっさん、ちびっちゃって。そして、約束通りHはJeanに弟を会わせてやる。喜び合う兄弟を見るHの笑顔が素敵でした。たどたどしい英語で「Thank you」というJeanに、HはEnriqueの家族にロケットを渡すように促す。いつもなら自分で渡してヒーローになるでしょうが、ここで一歩引くところがかっこいい。"Henri, Ca va? Tres bien. Au revoir."おお、フランス語を連発するH。知っているのはこの程度かも知れませんが、それでも美味しい。Henriは去っていったHに"Merci"と言いながら、ついに自由になった喜びを体全体で表すのでした。この演技が本当に感動的で、思わず涙ぐんでしまいました。ハイチからきた兄弟を演じた役者さん、とても良かったですね。キャストたちが、外国語が堪能だというのは、久しぶりでしたね。Ericはロシア語ができましたよね。そういうことを改めて気づかせてくれました。これぞマイアミというエッセンスがちりばめられて、嫌みがなくて、何度も見返したくなるようなエピソードでした。