デクスター6 #66 Just Let Go
今シーズンは、デクスターが闇から光へ抜け出そうともがく姿に私にも感情移入しやすいです。トラビスとゲラー教授の関係もデクスターとパラレルとなっていて、上手いなと感じました。何者かに銃撃されたブラザー・サムは緊急手術を受ける。連絡を受けたデクスターは犯罪現場に駆けつけて捜査に加わる。犯人は金と監視カメラのDVDを盗み去っていた。デクスターは殺したフリオの仲間が仕返しにきたのではないかと考え、先日ニックを取り戻しにきた時にバットで殴った事を思い出す。バットには血痕が残っていて、DNAからギャングのNo.2のリオ・ヘルナデスであることが判る。デクスターはニックからリオの居場所を聞き出す。デブラは現場に残っていた指紋を一つ一つ潰すように命じる。バティスタがポーター教授から得た情報によると、ゲラーは黙示録を世界に終末をもたらす暗号だと考える西暦初期のカルト教団を研究していたという。その暗号を解くためには7つの鍵があり、それぞれに犠牲が必要なのだという。過去にゲラーはタラハシー大学で、今回の事件の原型となるような展示を行っていてそれが問題となって大学を追われた。その時の写真にはタトゥのある女性が映っていたが、クィンはそれを見てポーターだという。デブラは参考人としてポーターを呼び寄せるよう命じる。デブラは昇進してから、今までの仲間とは距離を感じるようになっていた。セラピーで悩みを語ったデブラは、新居に友人を招くことにする。デクスターは始めは自分と同じ道を歩みながら、光に導かれていったサムが命を奪われそうになっている事で、いらつきを覚え、ヘルナンデスを殺す事にする。アンダーソンはギャングの縄張りを洗ってヘルナンデスの名前を聞き出し、自宅を監視していたデクスターの目の前に現れる。そして何と警察とヘルナンデスが撃ち合いとなり、ヘルナンデスは死んでしまう。デクスターは正義が果たされたにもかかわらず、納得できない。ヘルナンデスの家の捜索を行ったところ、サムの工場から盗まれた監視ビデオが見つかり、ヘルナンデスらしい犯人がサムを撃つ様子が写っていたため、警察は犯人だと結論づける。しかし、デクスターは映っていた犬のイーサンが犯人に向かって吠えていないのに気付き、犯人はニックだったと気付く。トラビスはゲラーが無理矢理捕らえた娼婦が怪我をしていて苦しむのを耐えられず、姉の職場を訪れ未来に希望を抱く子供たちを見てさらに葛藤する。デクスターはニックの自宅で銃弾を見つけ、サムを撃った銃と同じであると知る。ポーターの尋問はバティスタが慎重に行うが、デブラがクィンに尋問に加わるよう命じた結果、2人が寝たことがばれてしまう。デブラはクィンの行動をなじるが、クィンは今もデブラに未練がありそれが結果的に重要参考人を手放すことになってしまった事を知る。デブラは再びセラピーに頼ることにする。サムが意識を取り戻し、臨終の枕元にデクスターを呼ぶ。サムは自分を撃った犯人がニックであることを認め、デクスターにはニックに許すと伝えてくれと頼む。デクスターはそんなことはできないというが、サムはデクスターの心の闇に光を見いだしたからこそ頼むのだとい言い、憎しみと共には生きられないのだから、闇を捨て去れと言い残し死ぬ。ゲラーの命令にもかかわらず、トラビスは焼きごてを当てることができずついに捕らえた娼婦を逃がすことにする。ニックを洗礼を受けた砂浜に連れ出したデクスターは、真犯人であることを知っていると告げ、なぜ恩人のサムを撃ったのか質問する。ニックは信仰を持っても何も変わらなかったといい、ギャングに戻るためにサムを殺したと認める。そして、デクスターが証言できないのはラッキーだと喜ぶ。その話を聞いているうちにデクスターには押さえがたい衝動が起こり、ニックを海に沈めて殺してしまう。デクスターの前には、兄ブライアンの姿があった。ラストシーンは「おー!」ですね。マスカがなぜ冷凍庫キラーについて触れたのかと思っていたら、そういうことだったのですね。闇の力は光にも勝る。サムがニックを許せというのは予想された事でしたが、素直に従おうとしたデクスターが怒りと憎しみからニックを殺してしまったところは、やはり闇の深さを思い知らされた感じです。いや、誰だって大切に思っている人を殺されて、しかも反省のかけらもない様子を見たらカッとなるかも知れませんが、修行の足りない(?)デクスターにはとても許すことなんかできなかった。そしてハリーではもうデクスターを止められないということですよね。あの時自ら闘って海に沈めたブライアンが闇の象徴として蘇った。これにはブラボー!でした。デクスターは真の己の顔を見たというべきか。そして、対極というべき善人のトラビスは、罪悪感に苛まれて徐々にゲラーに逆らうようになってくる。ゲラーはトラビスをダークサイドに引き込もうとする象徴的な存在ですね。EJOについて淡々として恐ろしい狂信者というが、正にはまります。(爆)トラビスはお前は間違っているというデクスターの忠告で目が覚めて、善悪の判断ができるようになってきた。それもまた皮肉です。デブラは警部補になって苦労続きですが、今シーズンはセラピーにどっぷりはまり込むのかな。クィンのダメダメ男ぶりはもう、本当に見事としか言いようがない。酔っぱらってその辺で引っかけた女と共にデブラの家にやってきて、ジェイミーに言い寄るわ、「俺のことを愛していたのか?」と言ってみたり。うふふふ、まるで「バフィ」シーズン6のスパイクみたいだ。(爆)こんなぐだぐだな男は要らないと言いたいところですが、デブラのこれまでの男性関係ならどうでしょう。何だかんだ言っても、そう憎くはないはずで、もしかしたらセラピーでその辺の事が明らかになってくるのかも。何せ、次週が待ち遠しいです。