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カテゴリ:ウエッティの気持ち
前回の記事、「なかなか面白いじゃん」と思ってもらえました?
もしそう思ってもらえたとしたら、まもなく7月開催の「日米ステップファミリー会議」も、 きっとかなり面白いって思ってもらえると確信しています! ステップファミリーの安定って何かという部分を、 ステップファミリーの特質をわからないままに判断しなくちゃいけないって、大変なことですよね。 特に援助する側のイメージに、「初婚の血縁のある親子、家族」というものが「家族としておさまるべき姿」とイメージしてしまうと、ステップファミリーとしての個々の距離の取り方が難しくなります。 しかも、本人達は「ステップファミリーならではの関係性」というものを意識する前に、「血縁のような親子、家族になるべき」と思いがちなのが現状の傾向と言えると思います。 追い込まれた家族に、さらに負荷となってかからないよう、援助する側は家族としてのあり方に、少しでも多くの選択肢、家族をデザインするに必要な情報を提供できるように、知識をたくさん持っていて欲しいなあと思っています。 あと、当事者の経験ってとても大事ですよね。 でも当事者の経験は、けして他の人にも「だからこうしたほうがいい」と押し付けてはいけません。 「ステップファミリーってこういうもの」とつい自分の得た「納得の経験」強く主張しがちになる場合があります。 でも、ステップファミリーは本当に千差万別。 その家族の中において、自分の立ち位置や役割というものも、その家族においての特徴であり、他の家族になればまた同じ立場(例えば継母など)であっても、家族のニーズ、個人のニーズの違いなどから、コレといった落としどころが異なってきます。 まずは、皆違っていいことなんだと理解した上で、ご自身の経験談も、聞く側の取捨選択が自由にとれるものとして語っていただく配慮が大切です。 でも、なぜ当事者の経験談が強く主張されるかっていうと、迷った時の「こうなりたい」とか「こうしたい」という選択肢がなかなか明確にないからですよね。 だから「私はこうだったのよ!」とより強く教えてあげたい気分になるんですよね。 その温かい、仲間を支える気持ちはよ~くわかります。 でも、あまり強くすすめてもかえって選択肢を狭める場合もあることを念頭において、お話してあげてくださいね。 私はそういった当事者の経験談や語りが情報として増えることも大事だし、 ステップファミリーを育むためのノウハウ情報や、研究が充実すれば、もっと効率よいステップファミリーの形成が出来ると思うんですね。 日米会議で報告していただく予定の、野沢先生や菊地先生のお話も、まさにそこのところなんです。 菊地先生を例えにあげますと、菊地先生は「継母の役割アイデンティティの多様性と変化」と題した報告を予定されています。 同じ継母でも、初期の頃、中期の頃、後期の頃と、継母としての実感や、家庭内での役割意識って時間とともに変化するのですよね。 例えば当初は「実母のように」と熱望したけれど、途中は「家政婦並み」と自身の中で挫折感や失望を抱いた役割意識に変化したり、セメントちゃんの誕生で変化が生まれ始めたり。継子が成人してまた気持ちが変わったり。 そういう変化の過程(変容)が研究され、いくつかの流れがそこに見えてくれば、「こういうストレスは、こういう理由であるんだな」とか「こういうスタンスもありかな」など、当事者の落としどころが解りやすくなると思うんですね。 まさに、自分で自分をデザインしやすくなるというか。 そういう情報とか選択肢、増えてほしいですよね。 家族ってずっと変化し続ける「生き物の集まり」なんですよね。 ずっと何者かでいなきゃいけない訳じゃありません。 だからこそ、頑なイメージ(例えば実親のような継親にならねばとか、逆に同居人でしかないと決め込んだり)と悩み続けるより、家族の変化にちょうどいいスタンスややり方を選択できるほうが、家族でいることの意義や価値をずっと感じられると思うんですね。 縁あって家族になりえたんですもの。 互いに心地よい環境を作り、意義のある家族として過ごしたいですよね。 がちがちの「血縁の実親子こそが親子」って考えをなくして、血縁を越えた絆をもったナイスな家族というチームを作っていきましょうよ。 そういう家族を経験することって、子どもにとっては大人以上に大切。 血縁のない大人でも、親として、あるいは大事な家族として有することができれば、大きな財産となりえます。 ステップファミリーを支えるための情報支援の充実を、この会議を足掛かりに、さらにはかって行きたいと思っています! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.06.16 00:24:58
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