☆★☆ウエッティのつぶやき☆★☆

まずはこちらの予告動画を見て下さい。




この映画は、４年前に起きた［大阪２児放置死事件］をモデルとしている映画で、
当時の事件の様子を遡ってネットで調べた夜、眠れませんでした。


このニュースがテレビで流れていた当時、一番、印象に残っていたのが
扉にガムテープの目張りをした母親の行動です。

どんな気持ちで、子供たちを放置して、逃げられないようにしたのか…

それが疑問でなりませんでした。

そして、容疑者である下村早苗の生い立ちも複雑で…
結婚した後の生活も、良妻賢母になろうと努力していた様子。
ですがどこかの歯車の噛み合わせが悪くなり
シングルマザーになった。

シングルマザーになり、２人の幼い子供たちの育児や仕事、
きっとそれだけではないだろうと思われる疲れが彼女を追い詰め
事件に発展してしまった…

映画を観に行った日には、終わった後に
監督の緒方貴臣さんとＮＰＯ法人Ｗｉｎｋの新川てるえさんのトークショーもありました。

その中で、離婚した後の家族形態で、
シングルマザー９割、シングルファザー１割という事実も知り
離婚後の多くの子供たちは、主に母親の手で育てられ
その母親に覆いかぶさってくる現実は、計り知れないほど厳しいものだと知りました。

私は、シングルになったこともないので、その苦労のすべてを理解する事はできません。

ですが、育児放棄、ネグレクト…という事に関しては、
育児に悩む方々が、ふと足を踏み出してしまえば、起こりうる出来事なのだと思いました。

高度成長期になり、そこから核家族が増えていく中で、
孤立化する親御さんたちが多くいる現実。

家の中のことをなかなか吐き出せない環境。

自治体の相談窓口へ行っても、適当にあしらわれてしまう事も多く
またそういった窓口に行く自分を母親失格と責めてしまう方もいます。

母性神話に基づいて、手助けどころか、責め立てられる場合もよくあります。

それは、実母だけではなく、継母にもそういった母性神話を押し付けてくる
社会や相談員や地域の人たち…。

それだけではなく、パートナーやパートナーの実親までもが
継子の母親役を押し付けることで
その重圧に堪えきれず、継母も孤立しやすい対象にもなりかねてしまうのです。

要するに自分の殻に閉じこもってしまう要因はいくつもあり
自ら孤立を選ぶ人、ＳＯＳを出したいけれど出せない人、
ＳＯＳを出すのに躊躇ってしまう人。

どの方々も存在しているのです。

映画の話とは反れてしまいましたが、
観る方の立場や観る方の思いひとつで、見えてくるものが違ってくるような作品です。

観るのが怖い…そう思う方もいるかもしれない…

けれど、観たほうがいいです。

観終わった後、言葉を失いますが…

３～４日間、脳裏に焼きついて考えさせられてしまうかもしれません。
私も観に行って、４日間が経ちますが、未だに考えさせられます。

映画館からの帰り道、込み上げる感情を抑え
その感情も複雑で、溢れる涙を止めるのに精一杯でした。

そして、私にも何かできるはず…と思いました。


明日、旦那も観に行く予定です。

が…子供が可哀想…だけで済ませて欲しくない。

この映画には、悪役はいなくて、誰も責められない。
誰かのせいにしてしまえばラクにはなれるかもしれないけど
そうではないのです。

だからこそ、たくさんの方々に観て欲しいのです。
今まで、開けられなかった箱の中。
想像でしかなかった箱の中。
それを目の当たりにした時、何か気付くことができると思います。

また映画だけではなく、パンフレットの中に書いてある
言葉、ひとつひとつ大切にしたい言葉ばかりでした。

この映画を観て、私にできることを具体化できるように考えます。