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現在、巷では「クール・ビズ」という単語がすっかり浸透し、
薄い衣服で高めの温度、という状況がちらほら見えるようになってきた模様です。 どうも、我が歯科室にもその波がじわじわとしみこんできているよう。 部屋で作業をしていると、うっすら汗ばむ素肌を感じます。 でもね、きっと日本全国こんな感じ。 かけがえのない地球。生かすも殺すも一人一人の意識から。 ほしがりません、勝つまでは。 自分でもよくわからない正体不明の使命感に、 心頭滅却すれば火もまたすずしと、笑顔はあくまでクール・ビズ。 笑顔でお仕事してたわけですよ。 でもね、その笑顔がね、どうも、クールでい続けるわけにはいかなくなっちゃったんです。 それは、昨日の診療中のこと。 うちは、大抵要介護の患者さんばかりなので、 病棟と歯科室の往復には介助者の手が必要なわけです。 で、治療が終わったら、病棟から看護士さんを呼ぶのですが、 治療を終わったある患者さんを迎えに来た看護師さんの顔色が 部屋に入ったとたんにさっと変わったのです。 でもって、患者さんと私たちにちょっと引き攣った笑顔を向けると 車いすを押してとっとと外に出ちゃったのです。 本来は、治療室の中で会計伝票と次回の予約票が書き終わるのを待ってるはずなのに がーーっと車イス押して、 「外で待ってますねーー☆」 なんて言い残して、去っていったのです。 で、先生と二人で「??」と首をかしげ、書類を渡しに外へ出た時、 私たちの素朴な疑問は一瞬にして素朴な答えに変わりました。 そ、外のが涼しい… 快適なまでに涼しい… 寒すぎず、暑すぎず、湿度もよく、人体に負担をかけないギリギリのラインをキープしている… 何か、広い宇宙にぽつんと1人立つような戸惑いが全身を包みました。 治療室の中と外。 ドア一枚で隔てられた二つの世界、その差はすべからくして戸惑い以外の何物でもありませんでした。 まるでここは、南の島の砂浜を白い素足で軽やかにかける真夏の少女に寄せる潮風。 ……しかし、私はこの世界の住人ではなく… 一抹の落胆と覚悟をもとに、元いた世界の扉を開けました。 すると、そこには定められたお約束の空気が渦巻いており…。 むぁ~~~~~ ほっかほかの肉まんが入ったセイロの蓋を開けた時のごとく 顔面を包む、いやぁ~~なむわむわ。 エアコン、全然効いてないし。 効いてないし。 効いてないし。 っつーか エアコン… エアコン…… ナンデスカコレハ。 ちなみに、その時、廊下の設定温度は「27℃」でした。 総合病院の奥座敷とはいえ、それなりに需要もあるのですから、 いろいろ後回しの、いろいろ使いまわしな立場は胸が切ないです。 クール・ビズって何。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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