カテゴリ:V. スピリット
★コア・トーク: デフレは終わらない
2007年末に発表された11月の全国の消費者物価指数は、総合指 数が前月比0.2%増加して、前年同期比では0.6%増加しているもの の食料及び価格上昇が続くエネルギー価格を除く総合指数では10 月と変わらずとなり、前年同月比では0.1%の低下となった。 東京都区部の食料及びエネルギーを除く昨年の総合指数は 1999年以来9年連続で前年比で低下している。 生産性の向上によって安価に多くの製品・サービスが供給される ために起るデフレは良いデフレであるという見方がある。確かに 給料が増えなくても、食品や家電製品などの生活費が安くなるの であれば決して悪いものではない。 90年代初めまでのバブル経済とその後の調整は終了している ようであるため経済の成長にあわせて物価は緩やかに上昇に 転じるとの期待もあるが、時代は新たな局面を迎えているよう である。 少子高齢化の危機をほとんど無視して経済は成長してきたが、 そんな心配すらする余裕のない経済危機を克服して、少子 高齢化が避けられないものとして受けとめられるようになって いる。日本においては2050年に向けて年率1%弱までの人口 の減少が予想されている。この場合、一人当たりの生産性が 3%程度高まったとしても、人口の減少と、それに伴う労働人 口の減少によって経済の成長率は2%程度まで押し戻されて しまう。 さらに、日本と中国の一人当たりGDPで考えると平均すると 約25倍程度の所得格差があるわけで、香港、台湾、韓国など と比べても日本はまだまだ優位な状況にある。この差は今後 縮小する方向に動くのだろう。つまり、日本の所得や物価は 相対的に低下して、その他アジア諸国の所得や物価は上昇 することになるのだろう。 アメリカでも大統領選挙を向かえ、テロとの闘いを継続するに しても、下位10%を切り捨てて強者が経済や社会を牽引する ようなリーダーシップのあり方は見直されることになるはずで ある。国際社会は古い種類のリーダーシップには従わなくな るだろう。 地球温暖化ガスの削減など環境問題への取り組みは、国際的 な経済モデルになりつつあるようである。これは、日本など先進 諸国におけるデフレを主導する効果を持つ。世界レベルでの 低インフレの行く先は、景気の後退や経済活動の縮小ではな く、一定の経済規模の中での豊かな生活、世界的な格差の縮 小、心の通ったグローバルなコミュニケーションの充実である ことを期待したい。 □□□□■□■□■■□■■□■■□■■□■□■□□□□□□ ※メールマガジン『プロフェッショナルのための「V.スピリット」』 のコア・トークを掲載しています。 ■メールマガジンの登録・解約: 「V.スピリット」は、まぐまぐ と melma を通して配信しています。 次のサイトでメールマガジンの登録・解除が出来ます。 http://www.wildbearcorp.com/mailmagazine.htm □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2008.01.25 21:05:26
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