カテゴリ:お仕事
「看護の実情と質1」の続きです。長すぎて…入りませんでした。先に「1」を読まないとわからないので、長いの承知で読まれる方は、先にそちらへどうぞ。
さて… 抑制しないと死ぬ、ってどういうことかというと、例えば、気管内挿管している人が管を抜いたらどうなりますか? 心臓や頭の中に入っている管を抜いたらどうなりますか? 安静が守れなくて血管破裂したらどうなるんですか? 太い静脈に入っている管を抜いたらどうなりますか? ということです。 本人によく説明したらわかるんじゃないの?などとは言わないで下さい。どんな理性的な人でも、やっちゃう時はやっちゃいます。そういう時は理性なんかふっとんじゃってます。患者さんに蹴られたり、つねられたり、殴られかかったりなども、よくとは言いませんが、あります。私もあります。噛み付かれた人もいます。 話がややそれましたが、そういうところで私働いてます。 術前の患者さんなどで、重い疾患は持っていても見た目元気そうな方もいます。自覚症状がない方も少なくありません。 そういうところへ、例の方(まだいます…)のように疾患そのものは大したことはなくても騒ぎまわる人がいたりします。どっちのナースコールが怖いかというと、見た目は元気そうな方です。わあわあ言っても、例の方の場合は本来なら自立していてもよく、少々遅れて行っても本人がうるさいだけですが、見た目元気そうな方が押すってことは、何か症状が出たのではないかということです。下手したら一気に亡くなる場合もあります。終末期の方が亡くなるのとはワケが違います。元気になるために手術を受けに来ている方です。そういう方が発作で亡くなってはイケナイのです!ほんとに怖いです。知らない人はあのナースはイジワルして先に押した人の方に来ない、元気な人の方に先に行ってけしからん、などと思われるかもしれません。でも、ちゃんと理由があります。 更に、イジワルと思われることに、患者さんの自立を促すこともよくあるパターンです。病状が回復してくると、できることはやってもらうようにします。いつまでも、病人でいてもらっては家に帰れません。病状に合わせて様々なことを手伝わなくなります。それをイジワル、と取る人もいます。コミュニケーション不足も否めませんが…言ってもわからない人も少なくありません。 で、やっと本題?ですが… コメントでこういう問いを受けました。 >どうやって精神的に不安定となった患者さんの心に接しておられるでしょうか? 重いです。 なんだか、学生の頃に戻ったようです。というのも、学生は理想を求めて勉学に励んでいますから…。こういうことに真っ直ぐ目を向けています。で、実習に出て、実情にがっかりして、私はああはならない!と希望に燃えます。…が、多くのナースは現場に出て、理想とかけ離れた看護に幻滅したり、諦めたり、妥協していくのだと思います。勤務時間内に燃え尽きそうなくらい働いて、残業もして、更に休日や時間外に勉強会だ、研修だ、研究だ、委員会だ、なんだかんだと動いています。もちろんそこのところは無給です。真面目な人ほど燃え尽きます。何故って、無理だからです。 思うに、コメントを下さった方と私の立っている位置が随分違っています。 私は慢性期の病棟も緩和病棟も知りません。終末期の方との接触もほとんどありません。 でも、急性期であっても、精神的に不安定になる方は少なくありません。どう接しているかと問われたら、できる範囲で誠実に接しているとしか言いようがありません。できる範囲とは、時間があれば話を聞きます。ただ話を聞く、それが一番効果的であるということは看護師であれば誰しも知っています。当然、少ない人数でやっていますので限界があります。夜、2、3人しかいないのに、話をゆっくり聞くなど不可能なことです。日中でも、検査、手術、点滴、処置などで時間に追われています。 そこで、夜寝られなければ主治医に相談して薬を出してもらいます。更に精神的に不安定であれば、精神科受診はどうかと主治医に言います。専門家に見てもらうのです。必要ないと言われたら、それまでですが。この程度が限界です。 うわ、何て冷たいと思われるでしょうか。 私はしませんが、勤務後に、もう別の病棟に移った方を見舞いに行く人もいます。○○さん、元気になったかなあと退院、転院された患者さんのことを話すこともあります。亡くなった患者さんの話もします。みんな、随分気にかけているのです。あ~、この人たちって(同僚です)、怖いときあるけど本当にいい人たちだな~と思うことがよくあります。私は人当たりはいいのですが(ブログではちょっと態度悪いかな…)、本当にその人のことを考えて仕事をしているのだろうかと思うこともあります。患者さんにかなり甘いですから。こうして欲しいと言われたら、はいはいと言ってやってあげます。その方が話が早いし、仕事が進むということもあります。だから、だめだめナースなんですが…。 私が忘れられない患者さんがいます。家の方がいない時は昼夜構わずナースコールを鳴らし続ける方でした。気管切開をしていたので、なかなかコミュニケーションが取れません。でも、押し続けます。夜など代わりがいないので、何度も行くことで、他の人をみることもできませんし、その人の傍に落ち着いていることもできません。3分待ってね、とか、1人ほど血圧測ったら来るから、と言って宥め、一人測っては顔を出し、もう一人測っては顔を…ということを繰り返しました。その方、吸痰、経管栄養、点滴、体位変換、熱が出るので氷枕を何度も変えるなど色々と処置も多かった方でした。家の方が泊まらない日は決まって熱を出されていました。 看護師は、家族のかわりにはなれません。 優しいナースがいいナースとは限りません。 そして、勘違いして欲しくないのですが、看護師はボランティアではありません。 コメントを下さった方のお知り合いは、本当にたまたま性質の悪い看護師に出会われたのかもしれません。でも、もしも、全員がそんな看護師だったとしたら…自画自賛な医師も余り信用できないかな~。 ちなみに、私の祖母(麻痺プラス認知症)もナースコール攻撃していたらしく…ナースコールを完全に外されているのを見たことがあります。更に、おやつを持ってこないで下さいと言われた理由というのがすごかったです。う○ちが沢山出て困るから…。看護師免許本当に持ってる?みたいな理由です。いや、それ以前に人間としてどうなの?という…。当然、そこは昔から評判の悪い病院です。忙しい病院ではありません…。祖母はそこで亡くなりました。 質の悪いところはとことん悪い、のかも知れません。 長々と書きましたが、単に私が世間知らずだけなのかも知れません。悪しからず。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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