看護の実情と質1(くどくど長くて真面目なのが嫌いな方は次の機会にどうぞ~)
7月7日のブログ記事のコメントのやりとりが長くなってきたし、色々と考えることもあって新たに記事書きます。久しぶりに真面目です。まずは7日の記事とコメント参照して下さいね。7日の記事はナースコールを嫌がらせのように鳴らす軽症患者さんの話でした。実際あの後も…電話を掛けるためには廊下を歩くけれど、床上排泄をするという傍若無人振り…。しかも、あること無いことエセやっちゃんみたいな旦那に愚痴り、朝っぱらから旦那が「責任者呼べ!」と怒鳴り込んでくる始末…。自分で医療費払ってからそういうことを言って頂戴と、言える筈もない嫌味を言いたくなるのも無理なくないですか?とにかく、関わりたくありません。でもまあ、時々ある非常識な方のお話です。ところで、今回コメントくださった方のお知り合いの場合は、そういう方とは違って、本当に具合が悪くてナースコール鳴らされたようですが、対応がひどかったようです。で、私も気分のムラがありますし、一面的な話を聞いても本当のところはどうだかわからない、看護師サイドの立場ならこう見ることもできる、というちょっとイジワルモードなお返事をしてしまいました。多分、医療従事者でも、かなり生真面目な方や、病棟の実情を知らない方、つまりは看護師以外(医師も本当によくわかっているとは言い難い…)には頷けない部分もあるような内容だったかもしれません。ということは、あれを患者さんや患者家族の方が読むと結構不愉快、かもしれません。それって、ひどくない?と思われることでしょう。で、今回はそれに対する弁解、ではありません。私の意見、見解です。どういう人の意見かわからないと、それをどうとっていいのかわからないと思います。というわけで、今まで余り言ってないけど…少し自己紹介。私、看護師5年目…の割に頼りないのですが、多分中堅と言われるようになってきた頃です。勤務している病院は急性期、つまり積極的な治療を必要とする方のための病院です。500床越えの中規模病院だと思います…と書いたけど、調べてみると300床以上で大規模病院なんですね。てことで、大きめな病院に勤務してます。ここ以外を知りません。実習もここでしたから。ずっと同じ外科系の病棟にいますが、救急患者を受け入れています。私のいるところは院内でもかなり特殊なところです。本当に普通の一般病棟の実情は人から聞いたことでしかありませんが…様々な病棟を先輩ナース方は渡り歩いて来られていて、話を聞くこと多いです。同期の話も聞いてます。…という私の意見ですので、…これを前提にしておいてください。一つの病棟に50~55人の患者さんがいらっしゃいます。普通の病棟では日中、5~7人くらいの看護師でみています。日中は環境整備、ケア(体拭いたりとか)、手術、検査やその準備、処置、処置の介助、指示受け、点滴、注射、採血、入退院のこと、排泄介助、患者や患者家族、見舞い客対応、電話対応(どうしてこんなに電話が多いの…)、記録など(まだまだありますが…)しています。病棟での事務的なこともすべてやります。医師の秘書じゃない!と何度も言いますが、秘書代わりにに色々と使われます。ちなみに休日は看護師の数、減ります。夜間は2~3人でその50人余りの方々をみています。夜は暇だろなどと思わないで下さい。休憩なしで働くことはザラです。座る暇がないことも少なくありません。勤務時間が終わってやっと記録のために座り、残業して帰ります。どこもこんな感じ、とは言いません。うちの病院の話です。先に、↓少しデータが古いようですが、実情の多少の参考までに。★「病床当たりのマンパワー」「日本の「人口当たり」の医師数、看護師数は欧米諸国と比べてさほど大きな差はない。問題は日本の病院数、病床数が多すぎるため、「病床当たり」の人手が非常に少ないことだ。日本の人口千人当たりの病床数は米国の3倍、ヨーロッパの2倍くらいになる。1病床当たりの職員数(医師、看護師はじめ、事務員まですべて含む)は、いかに手厚いケアができるかという病院の機能の指標となるが、日本の平均は1人。米国では平均4人で、最低クラスの病院でも1病床当たり2人、最高の病院では20人を超える。日本は最高クラスでも1病床当たり2人程度だが、せめて平均で2人の水準に上げるべきだろう。職員のなかでも、特に病床当たりの看護師数を見ると、病院の機能がよく分かる。1病床当たりの看護職員数は日本が0.4に対してアメリカは1.6と4倍だ。看護師は昼間だけの勤務ではなく、準夜勤、深夜勤と3交代のチームが必要である。また、夜勤の回数は決まっているので、全体の配置数から勤務者の数が計算できる。たとえば1 病床当たり看護師数が0.5(国立大病院の平均が0.55)とすると1,000床の病院では500人の看護師が雇用されているが、実際に勤務しているのは日勤が260人、深夜60人、準夜60人程度で、120人は休みとなる。昼間はまだよいが夜中は1人で15床以上を担当することになり、1人の患者さんが急変したりすると他の患者さんに手が回らなくなるのは当然だ。」でも…夜中は一人で15床?どこのデータよっ!!?と思っちゃいます。このデータさえまだ甘い…。夜中は一人で20~25床あるいはそれ以上でしょ。参考資料を探していて↓こんなもの見つけました。面白い結果でてます…いえ、かなり怖いです。★「看護配置と患者死亡に関連した研究結果」でね、人間の体って、ひとつです。命がかかわっているので、常に優先順位を考えて動きます。後で苦情が来ようとも、優先順位を間違えて誰かが死ぬなんてことがあってはならないんです。特に、私のいるところは、救命優先なのです。抑制(自由に動けないように患者さんを拘束することです)も普通にします。抑制廃止の流れがありますが、無理です。そこを努力するのが医療、看護だろうとおっしゃるあなた、それはやっぱり一部を見ているに過ぎないからではないでしょうか。私も最初は抑制には抵抗がありましたが…ある医師は「なんで罪悪感なんか感じるの? 僕は全然感じないね~。しなくて死んだらどうするの?」と言っていました。「看護の実情と質2」へ続く!