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2006年02月19日
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カテゴリ:生き方
ドアーズ0008.JPG
観ているビデオをデジカメで写しました

12月4日に5年続けて来た朗読の会の2回目の発表会があった。

初めはもっと早くするはずだったのが、いろいろな事情で延びてこの日になった。
私はその日まで風邪をひいてはいけないとか、間違えないようにしなければとか、
かなりプレッシャーを感じていた。

当日、40人くらい仲間の知人友人が観に来てくださった。
1週間前にゲネプロがあり、前日も練習、当日も午前中に少しあった。
緊張はしていたもののその時はそんなにひどい状況ではなかった。

しかし、本番になって、急に自分でも意外なくらい緊張しあがってしまった。
それでも間違いはなくそれなりにこなして、仲間達もかなりうまくいって
無事発表会を終えた。

ご指導くださっている先生も、「こんなによくできるとは思っていなかったほど~」「一番いい出来だった~」とおっしゃってくださった。

観にいらしてくださったTさんも「1回目よりもずっと上手になっているわよ。プロに近付いている。」とちょっと誉めすぎなくらい、私については「がなりたてないでやさしくて品がよくてあなたらしくてよかったわ。」と私の実感とはほど遠い感想をおっしゃってくださった。

母親教室に来ているHちゃんご一家も来て下さり、「3匹のやぎのガラガラドン」だけでなく「シーザー」も大人でも難しい「楽屋」まで観ていってくださった。
全体に感心してくださり、「windさん、(Cの役)がよかった」とも言ってくださった。<*Cは静かな役で、精神病院から抜け出てきた人>

直後は達成感もあり、それなりに満足していたのだが、今日その日のビデオを観て、
愕然とし、そして落胆してしまった。

朗読の会のメンバーは、高校時代演劇部だった人や社会人になって素人劇団に属していた人も少なくない。
劇団に属していた友人に何度かその劇団に誘われたことがあったが、そんなことは私にはとんでもないことだった。
人前に出るのは嫌いだし、そんな自分はまるで想像もできなかった。

でも、この会は朗読の会ということで始まったので、当時金子みすゞさんの講座を終えたばかりで、その詩を朗読するのもいいということで始まったのだ。
しかし、実際はお願いした先生が演劇の先生だったことから実際は朗読というよりほぼ演劇といった方がいいような練習をしてきた。

私は、この会に入るまで、演じるということは現実の自分の上に別の役を被せることかと思っていた。
が、それが違っていた。先生がおっしゃるには自分が身に付けてしまった余分なものを脱いでいく、生まれたばかりの赤ちゃんに近付いていくことで演じられるということだったのだ。

その原点に戻れば、素直に演じられるはずなのだけれど、自分についてしまったものが邪魔をして素直に演じられない(先生がまったくこのような言葉でおっしゃった訳ではありませんが受け取った意味としてそう感じました)ということらしいと感じてから、この作業は自分にとってとても大切なものだと思うようになった。

何人もの友人を誘った私は、その友人達の演技(演技とは言えない歩くこと、走ること、立つこと、発声など)を客観的に見ていると、その人の生き方がそのまま立ち振る舞いに出ていることに驚いていた。
明らかに表れるのだった。

私は、出したこともない大声を出したり、ぶつけたことのない怒りを表現したり、自分なりに精一杯に練習してきた。
しかし、精一杯怒りを表現しているのに先生が笑ってしまったりということもあったし、よく「押し」が足りないと言われた。

発表会前にはメンバーで駄目出しもしながら、以前より大分力強くテンポよく動けるようになったようにも思っていた。
そのつもりだった。

しかし、自分のことは見えないのだ。人のことは見えるのに、自分のことは見えなかった。こんなにも自分の意識と違っていたとは・・・ということに愕然としたのだった。

精一杯の声は、迫力がなかった。テンポよく掛け合っているつもりだった台詞は歯切れが悪かった。動きにもスピードがなくきれがなかった。
それよりまず姿勢が悪かった。太目の身体もとても気になった。

他の方に比べるつもりはもともとなかったし、自分が精一杯できればそれでいいとも思っていたが、あまりに自分のことを知らなかったということがショックだった。恥ずかしかった。

振り返れば、実際の生活でもそうなのだ。テンポが遅く、なかなか自己主張ができないし、相手にわかってもらいにくい・・・・

そう、だからこの練習に意味があるのだ。

これでもこの5年間で少しは実生活での自分なりの改善も進んでいるはず。

まだまだではあるけれど、続けていこう。
まだまだであるから、続けていこう。

実は、この発表会の翌日、先生が脳梗塞の症状が出てその後入院なさっていた。
この際、一度解散してという声もあったが、今日の話し合いで先生に無理のない時期から再開することに決まった。

3月はお休みで、4月からの再スタート。
私もまた新たな出発。
ここでの表現と実生活の私とが重なるので、ここでできないことは実生活でもできない。ここでできれば実生活でも可能性はある。
グループ名、ドアーズの名のごとく、自分の中に埋もれている開けたことのないドアを開くべく再出発しようと思う。


2005-12-10 15:24:19






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最終更新日  2006年02月22日 15時23分52秒
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