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カテゴリ:生き方
さらに近鉄大阪線で室生口大野駅に行きました。 笠置寺の摩崖仏を見ることができなかったので、大野寺の摩崖仏をと 思い、やって来ました。 着くまでは、大野寺は室生寺や長谷寺などと一緒に18歳のときに友人と訪ねて 以来かと思っていました。 大野寺の前の川の向こうの崖に仏様がいらっしゃいました。 大野寺の対岸の岩壁に線刻された弥勒大磨崖仏(史跡)は高さ11.5mで国内最大の磨崖仏。 ところが、室生口大野駅について、大野寺に向かって歩き始めてはっと気がつきました。 (人の記憶は、何か特別なことがあったときには不確実なものになるのですね。) 実は5年前に来ていたのです。 でも、その時はそれをすっかり忘れてしまうほどのショックな体験があったのです。 室生寺まで歩こうと山道を選んで〔その前の台風で五重塔が壊れた時に 案内表示も道もなくなっていたのです〕遭難しかけたのです。 気がつくと、ハイキングコースの道どころか獣道もなくなって、 たまにあるのは鹿の糞くらいでした。 見渡せば、山また山で、人の気配を感じる音もまったくありませんでした。 その少し前に山歩きの好きな知人が何ヶ月も行方不明だった後、 険しくない相模湖付近の山中で遭難して亡くなっていたという話を聞いていたので 自分も・・・という思いが頭を過ぎりました。 どちらに行けばいいのかもまったくわからないまま、山の急斜面を倒木などを 乗り越えながら、水音に向かって降りて行きました。 何とか川に出て、川沿いの道からダム湖に出ると、やっと標識や建物がありました。 やはり2月頃のこと、ぎりぎり日没前に抜け出せたので助かりましたが、 今回あらためて駅から周囲を見渡すと山また山で山ばかりでしたので、 よく助かったと思うと同時に守護霊様が守ってくださったのだと思いました。 大野寺から駅に戻り、昨日の青蓮院のことがあるので、 今日は駅員さんに長谷寺までの電車の時刻を伺いました。ぎりぎりです。 長谷寺駅にタクシーがあるので、それで行けば間に合うでしょうとのことで、 とにかく行ってみることにしました。 運よくタクシーが1台停まっていて、閉門5分前に着きました。 結果的には閉門ぎりぎりに滑り込めたのがとても良かったのです。 登り廊は、三廊に分かれていて、全部で百八間、三九九段です。 かなり登り甲斐があります。 思いがけず、寒牡丹も咲いていて、うれしくなりました。 しばらく登って行くと、途中でいい香りがしました。 蝋梅でした。大きな木が数本ありました。 すがすがしい気分になりました。 やっと登り切ると、本堂があります。 小初瀬山中腹の断崖絶壁に、京都の清水寺の舞台のようになっています。 こんなに登って来たのです。 ここ長谷寺のご本尊も、十一面観世音菩薩立像です。 今日は、ここでも十一面観音様とのいい出会いがありました。 ゆっくりお参りさせていただいて、回廊を下って行くと、夕方のお勤めが始まったようで 読経が聞こえてきました。 私は、わざわざそういう会に出かけたりすることもあるくらい、読経や声明が好きです。 予期していなかった幸運にうれしくなりました。 帰りは、参道を通って駅まで歩くことにしました。 気がついたら、今日は当麻寺駅の傍でぜんざいを食べただけでした。 (京都のホテルでは朝食もついていましたが、いただかないで出てきました。) もう5時過ぎでしたから、休憩も兼ねて参道沿いのお店に入って夕飯を 済ませることにしました。 温かいそうめんとわらび餅のセットを注文し、お店に置いてあった篠山紀信さんの 「長谷寺」の写真集を見ました。土門拳さんや入江泰吉さんの写真とは趣の違う お寺の姿でした。 篠山紀信さんらしく女性もよく登場しますが、なぜか白い猫ちゃんが何度も 登場してきました。 写真集には、田辺聖子さんの特別寄稿も収録されていて、今訪れたばかりの ところを流暢な文章で再び味わうことができてよかったです。 18歳のとき友人との初めての旅が奈良でした。 山辺の道を歩いたり、万葉集にちなんだ場所を訪ねましたが、 そのときにこの長谷寺や大野寺、室生寺にも来ていました。 その友人に回廊の写真を写メールで送りました。 返信には「今、辺りは真っ暗でしょう。寒くない?気をつけて早く宿に~」と 心配してくださる言葉がありました。が、暢気な私は全然気にならずにいました。 でも、ゆっくりと食べ終えてお店を出ると、もうすっかり暗くなっていて、 まったく人通りもありませんでした。 けれども、参道だけあって、両側には旅館やお店が立ち並んでいたので 寂しかったり不安だったりすることもなく駅に向かうことができました。 暗い道でしたが、周りは宿場町を思わせるような町並みで、 山から流れてくるのでしょうか、建物の前には小さな流れがあり、 水音がしていました。 駅から電車に乗り、今夜の宿(近鉄奈良駅の傍のホテルでした)がある 近鉄奈良駅に行くばかりでしたが、うっかり者の私は大和西大寺で乗り換えるのを 忘れてしまい、京都府内の大久保まで行ってしまいました。 それでも何とかホテルにはちょうど8時くらいに着きました。 * * * * * * * * * * * * * * * 過去の日記を書き込む場合、「新規に投稿できるのは現在の月から前月までとなります。」 というのを確認し、2月28日までなら、1月は前月となるので2月27日に1月27日分を アップできると思っていました。 ところが、今日になって気がついたのですが、もう2月27日分はアップできなくなっていました。 この場合、日本語の使い方として「前月」という語を使うのは正しくないですよね? 「1ヶ月間」とすべきですよね? といっても、こんなぎりぎりにアップしようとするのは私くらいかもしれませんから、 皆さんには関係ありませんね。 本当は、昨日アップした1月27日(当麻寺)の続きを、1月27日の日記として アップしたかったのですが、こういういきさつで1月28日の日付となってしまいました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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