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カテゴリ:詩歌
トンチンカン夫婦
満91歳のボケじじいの私と
満84歳のボケばばあの女房とはこの頃
毎日競争でトンチンカンをやり合っている
私が片足に2枚かさねてはいたまま
もう片足の靴下が見つからないと騒ぐと
彼女は米も入れていない炊飯器に
スイッチ入れてごはんですようと私をよぶ
おかげでさくばくたる老夫婦の暮らしに
笑いはたえずこれぞ天の恵みと
図にのって二人ははしゃぎ
明日はまたどんな珍しいトンチンカンを
お恵みいただけるかと胸をふくらませている
厚かましくも天まで仰ぎ見て・・・
まどみちお「でんでんむしのハガキ」より
なんて素敵なご夫婦なのでしょう! こんな夫婦になれたらいいなぁ~ としみじみ感じて、
月末で定年退職の夫が年休を消化するために 今日から家にいます。 この日を迎えるために何年も前から、お互いが人間的に成長して 気持ちよく過ごせるようにと思い努力してきましたが、 これを読んで、目からうろこが落ちました。
こんな夫婦を目指すことにしました。
まどみちおさんという方はなんて心がきれいなのだと思います。 だから理屈がないまるで子どもの発想のような素敵な詩が 詠めるのだと思っていましたが、詩も生き方も同様で本当に 素敵です。
あらためて生年月日を見直したら、先日紹介させていただいた 伯父さんと同じ1909年生まれで今年百歳ですね。 おふたりとも穏やかでこだわらずおおらかな性格が幸いしている のかもしれませんね。
私がこの詩に出会えたのは、弥々さん のおかげです。 弥々さんがこの詩を朗読なさっています。 とっても味わいがある素晴らしい朗読です。
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