この秋になってから、ハラナガツチバチを4回掲載したが、今日は同じハラナガが付いても、ハチではないハナアブの1種、ナミルリイロハラナガハナアブ(Xylota amamiensis)を紹介する。少し古い写真だが、種類が分からず、暫く倉庫に入れたままになっていたのである。
このアブ、余り見た記憶がない。この辺りでは比較的稀ではないかと思われるが、遠目にはクロヒラタアブやハイジマハナアブの仲間と区別が付き難いので、気が付かなかっただけの可能性もある。体長は9mm。
ナミルリイロハラナガハナアブ(雄)
後腿節が太く棘がある.肩が白い
翅の後端からお尻が出ている
(2008/09/23)
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このWeblogを以前から御覧になっておられる読者の想像される通り、私が自分でこのアブがナミルリイロハラナガハナアブであると判断したのではない。自分で調べることが出来たのは、ハラナガハナアブ族(Xylotini)に属すと言うところまでであった。九大の目録に拠ると、この族には4属26種が記録されており、似たような種類が多い。これ以上進むには、「一寸のハエにも五分の大和魂」の御世話になるしかない。
投稿すると直ぐに応答があり、以前にも御世話になったハナアブの研究者である市毛氏とpakenya氏の御助力により、ルリナミイロハラナガハナアブであることが判明した。
斜めから見たナミルリイロハラナガハナアブ(雄)
(2008/09/23)
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この仲間はまだかなり混乱している様で、少し古い九大の目録とそれよりも新しい市毛氏の「ハナアブの世界」では色々と相違がある。また和名では、九大の目録では○○ナガハナアブとなっているが、市毛氏の方では○○ハラナガハナアブとなっている。これは他にナガハナアブ族(Milesiini)があり、それと区別するためにハラナガハナアブ族(Xylothini)の和名には基本的に「ハラナガハナアブ」を付けることにした為であろう。
顔は大部分が白い.真横や正面からは撮る機会が無かった
(2008/09/23)
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種類は少し違うが「ルリイロナガハナアブ」(
X.abiens)をInternetで検索してみると、半分近くが全く別のグループに属すハナアブの写真を載せている。ハラナガハナアブの仲間は、何れも後腿節が非常に太く、また、多くは肩が白い。この2つが分かっていれば、少なくとも大間違いを侵す恐れはずっと少なくなるであろう。