今日は息抜き?にササグモの幼体を紹介する。
今、「北米原産シオンの1種(紫花)」が咲いている。先日紹介したクロマダラソテツシジミの様な珍品?を含めて結構色々な虫やその捕食者がやって来るが、先日、その花の上に小さなクモが居るのを見付けた。
「北米原産シオンの1種(紫花)」で獲物を待つササグモの幼体
体長は約3.5mmとまだ小さい
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(2009/10/05)
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体長は約3.5mm、ハエトリグモの1種かと思ったが、撮影画像を拡大してみると、ササグモ(
Oxyopes sertatus)の幼体(若虫とも呼ぶ)であった。ササグモについては、既に
成体雌雄とその求愛行動や、
卵嚢を守る母グモ等を掲載したので、ついでに幼体も紹介することにした。
3.5mmのチビ助でも格好は一人前
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(2009/10/05)
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昆虫は、生長に伴って卵、初齢~終齢幼虫(larva)、成虫の各段階を経るのが普通である。終齢は5齢が一般的。クモの場合はどうかと言うと、昆虫とはかなり異なっている。卵、幼虫(larva)、幼体(nymph)を経て成体になる。幼虫と幼体の2つの段階があるのである。
正面から見ると、成体と同じ顔をしている
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(2009/10/05)
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この幼虫の段階は、科によって大きな違いがあり、1回の脱皮で幼体になるものから4回脱皮して幼体になるものまで様々である。ササグモの場合は、卵膜の中で2段階を過ごし、表に出てから更に2段階を経て幼体になる。
中々カッコイイが脚や体が半透明で如何にも幼体らしい
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(2009/10/05)
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幼体になった後、何回脱皮して成体になるかも、種類によって大きく異なる。環境条件にもよるが、小型のクモで4~5回、大型では10~13回、原始的で大型の
トタテグモ類では20回以上脱皮し、成体になってからも更に脱皮する。ササグモは何回位脱皮して成体になるのか分からないが、中型のクモで7~8回とのことなので、まァ、その辺りであろう。
今日紹介したササグモの幼体はまだ体長約3.5mmである。成体の体長は1cm前後なので、今後更に2~3回脱皮して成体になるものと思われる。
真横から見たササグモの幼体
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(2009/10/05)
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今日のクモの話は、実は、クモの聖典と呼ばれる吉倉眞著「クモの生物学」の丸写しである。冒頭に「息抜き」と書いたのは、丸写しは楽だからに他ならない。