昨日は、待ちに待った春らしい晴天で、我が家の狭い庭にも春がやって来たことを漸く実感出来た。虫も色々飛んでおり、新顔も現れたが、気温も高く非常に敏感で、中々写真を撮らせてくれない。今日は、辛うじて1枚だけ撮ったユスリカの1種を紹介する。
ユスリカ科(Chironomidae)エリユスリカ亜科(Orthocladiinae)のフタスジツヤユスリカ(Cricotopus bicinctus)、体長2.5mm、翅長は1.9mmの小さなユスリカである。
ユスリカ科は日本産だけで1000種以上もある大きなグループで、しかも小型種が多く、私が同定することなどとても不可能である。実は、少し前に我が家の庭ではない所で撮影した同種を、双翅目のBBS「一寸のハエにも五分の大和魂」で見ていただいたところ、ユスリカの専門家であるエリユスリカ氏がフタスジツヤユスリカであることを教えて下さったのである。
氏に拠れば、かなり前の調査だが東京の都市河川ではこの時期[冬]最優占種になっており、冬期に出現するものは腹部の斑紋が殆ど認識できなくなり全体真っ黒となる個体が増える、とのこと。今日の個体は、氏が示された図(drawing)とソックリの斑紋をしているが、先の個体では一寸模様が違っていた。
フタスジツヤユスリカ.この次に横から撮ろうとしたら逃げられた
体長は2.5mm、翅長は1.9mmと小さい
(写真クリックで拡大表示)
(2010/04/10)
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このフタスジツヤユスリカは、我が家から500m程離れた川や泉のある所では屡々見かける。しかし、駅前商店街から大して離れていない我が家の様な場所で見るのは初めてである。
ツヤユスリカ(
Cricotopus)属には、この様な黄色と黒のトラ模様でツヤのある種類が少なからず居る。ユスリカと言えば、灰褐色の模様に乏しい種類を思い浮かべるが、中にはこの様な綺麗な種類も居るのである。写真1枚でも紹介した所以である。