今日は久しぶりに庭の雑草を紹介することにした。調べてみると、このWeblogで草本植物を最後に取り上げたのは2008年11月末のアメリカイヌホオズキで、約1年半前のことである。草本には随分無沙汰をしてしまった。
今日紹介するのはトキワハゼ(Mazus pumilus=M. japonicus)、植木鉢の中に寄寓していた比較的小さな個体である。
植木鉢の中に生えていたトキワハゼ
左右に見えるのはツボスミレの花
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(2010/04/19)
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トキワハゼはゴマノハグサ科(Scrophulariaceae)に属し、この辺りの都会の雑草に多い帰化植物ではなく、在来種である。
最近は温暖化とやらで、子供の頃は見なかった雑草が生えているが、このトキワハゼは昔から我が家の庭に生えていた。花に結構風情があるので、時として抜かないで残しておいた様な気もする。
トキワハゼの花.斜めから見ると良く形が分かる
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(2010/04/19)
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花は、如何にもゴマノハグサ科でござい、と云う形をしている。尤も、この様なシソ科に近い2唇形ではなく、4裂した花冠を持つ
オオイヌノフグリもゴマノハグサ科だから、ややこしい。
正面やや上からみたトキワハゼの花.幅は約7mm
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(2010/04/19)
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花を良く見ると、下側に位置する花冠の内側には、一見花糸の様な小さな突起が沢山ある。しかし、図鑑に拠れば、ゴマノハグサ科の雄蕊は「4本で2本が長いかまたは2本で、花冠の筒に裂片と互生してつく」とあるので、これは単なる飾り?らしい。
花の中を覗いてみた.奥に見えるのは柱頭で雄蕊はその裏にあるらしい
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(2010/04/19)
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上の写真で一番奥に見えるのは雌蕊(柱頭)であろう。これでは雄蕊が何処にあるのか良く分からないので、今、庭に出て花を裂いてみた。雄蕊は4本で何れも花の奥の方にあった。
上の写真を良く見ると、柱頭の上部に胡麻塩模様の一寸違った感じの部分がある。どうもこれが葯の様で、その殆どは柱頭の後に隠れているらしい。柱頭の左右に見える管状の構造と思しきものは、恐らく花糸であろう。
真横から見たトキワハゼの花.結構平たい
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(2010/04/19)
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トキワハゼの花は幅約7mm、花冠の長さは約1cmとかなり小さい。同属のムラサキゴケ(最初「紫後家」と変換されてしまった)も似た様な花を着けるが、幅は1cm以上ありずっと大きい感じがする。また、後者は走出枝を出して匍匐するので、植物全体の見た感じも随分違う。
真上からみたトキワハゼの花.萼の付け根まで約10mm
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(2010/04/19)
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今日、飼育していたチャタテムシの幼虫が羽化した。幸いなことに、極めて特徴的な種なので、一目で種が判明した。次回からは、チャタテムシの話が続くかも知れない。