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2010.05.02
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 少し前のことになるが、3月中~下旬に何回か見慣れないハナアブが姿を現した。非常に敏感で何時も1m以内に近づくだけで逃げてしまう。飛んでいる時の腹部は黒っぽい感じで、遠目にはクロヒラタアブに一寸似ている。しかし、腹部が全体に細く、先端の方が元よりも膨らんでいる様な印象を受けた。

 何回来ても一枚も撮れず残念に思っていたが、漸く最後に何とか写真が撮れた。但し、充分に撮る前に逃げられてしまったので、使える写真は3枚しかない。



クロツヤヒラアシヒラタアブ1


クロツヤヒラアシヒラタアブ.前肢の先が横に拡がっている

体長9mm、翅端まで11mm、翅長は7.5mmである

(写真クリックで拡大表示)

(2010/03/31)

 初見のハナアブなので、先ずハナアブの図鑑として最も役に立つ「札幌の昆虫」や市毛氏の「ハナアブ写真集」で調べてみる。すると・・・どうやらヒラアシヒラタアブの仲間(ヒラアシヒラタアブ属:Platycheirus)らしい。

 しかし、「ヒラアシヒラタアブ」の「ヒラアシ」とは何だろう。「平足/平肢」なのだろうか? そう思って市毛氏の「ハナアブ写真集」を良く見てみると、種類によっては前肢の先が奇妙な具合に横に拡がっている(拡がらない種類もある。また、雄では顕著だが雌では不明瞭)。これが「ヒラアシ」と付いた理由であろう。

 上の写真では、かなりボケているが、明らかに前肢の先端部は横に拡がっている。其処で、もう一度市毛氏の写真集に戻って調べてみたところ、その形はクロツヤヒラアシヒラタアブ(Platycheirus urakawensis)のものに一番近い。また、双翅目の掲示板「一寸のハエにも五分の大和魂・改」に1件だけあるクロツヤヒラアシヒラタアブの記事を見ても、やはりよく似た前肢の形をしている。


クロツヤヒラアシヒラタアブ2


横から見たクロツヤヒラアシヒラタアブ

腹部側方に3つの不明瞭な紋がある

(写真クリックで拡大表示)

(2010/03/31)

 しかし、この記事には「長野県では標高1,500m以上の高山帯に主に分布しているようです」とあり、高山性のハナアブであることが示唆されている。一方、東京都本土部昆虫目録を見ると、皇居での記録が載っているから、関東の平地にも居るらしい。

 この記事は5年前に投稿されたものである。或いは、当時は分類がキチンとして居らず、その後2種に分かれた、等という可能性も無くはない。何となく不安なので、クロツヤヒラアシで宜しいか「一寸のハエにも五分の大和魂・改」に御伺いを立ててみた。



クロツヤヒラアシヒラタアブ3


余り取り柄のない写真だが、2枚では寂しいので・・・

(写真クリックで拡大表示)

(2010/03/31)

 今は春の黄金週間の真っ最中、ハナアブ屋の皆さんはフィールドに出撃中と思いきや、市毛氏から早速の御回答を賜った。「クロツヤヒラアシヒラタアブで合っていると思います.本種は,平地~亜高山まで広く分布しており,本属の中での最普通種だと思います」とのこと。これで安心して掲載することが出来る。

 実は、このクロツヤヒラアシヒラタアブにはルリボシヒラアシヒラタアブ、クロツヤホシヒラタアブと全部で3つの和名がある。「札幌の昆虫」や東京都本土部昆虫目録を見るとクロツヤヒラアシヒラタアブとなっているが、市毛氏はその写真集でルリボシヒラアシの名を先に出してクロツヤホシをカッコに入れているし、最近改訂された北隆館の大圖鑑や九大目録ではクロツヤホシが使用されている。一介の素人としては、どの和名を使用すべきなのか良く分からない。

 其処で、この点も双翅目の掲示板で問い合わせてみた。これも市毛氏が対応して下さった。「急いでハナアブ図鑑を調べたところ,クロツヤヒラアシヒラタアブ(改称)と書かれているので,これが最終的な和名です」とのこと(この「ハナアブ図鑑」とは、双翅目懇談会が会員用に作った図鑑のことで、普通の本屋では入手できない)。此処ではこれに従い、クロツヤヒラアシヒラタアブをPlatycheirus urakawensisの和名として使用した(まァ、和名など余り気にしないのだが・・・)。

 なお、先日紹介したクロケコヒラタアブは、「ヒラタアブ」と付いてもナミハナアブ亜科に属し幼虫は樹液食であったが、このクロツヤヒラアシヒラタアブはヒラタアブ亜科(Syrphinae)ツヤヒラタアブ族(Melanostomatini)所属で、普通のヒラタアブ類と同じく幼虫はアブラムシ等を捕食する。







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最終更新日  2010.05.03 12:20:01
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