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テーマ:日々自然観察(10123)
カテゴリ:昆虫(甲虫)
土の上をヨタヨタ歩く虫を良く見てみると、ゴミムシの類ではなく、ヒゲブトハムシダマシ(Luprops orientalis)であった。 此の虫は、以前、もう一つのWeblogの方に掲載したことがあるので、直ぐにそれと分かったのである。ゴミムシの様に大顎が発達して居らず、また、小腮鬚はある種のテントウムシの様な斧型をしている。「ヒゲブト」と名前にある通り、触角が太い。 同じハムシダマシ科(Lagriidae)に属す何も形容の付かない只のハムシダマシは、ずっと以前に紹介済みだが、この種は全身毛むくじゃらで細長く、今日のヒゲブトとは大分趣が異なる。図鑑の写真と九州大学の目録を対照すると、ハムシダマシの様な細長いのはハムシダマシ亜科、ヒゲブトハムシダマシの様なズングリ型はチビヒサゴゴミムシダマシ亜科(Adeliinae)に属す様である。
ハムシダマシ科なのにチビヒサゴゴミムシダマシ亜科と云うのは奇妙な話である。これは、この亜科がかつてはゴミムシダマシ科に属していたことに因り、このヒゲブトハムシダマシも以前はヒゲブトゴミムシダマシと呼ばれていたのである。 今はハムシダマシ科になったのだから、亜科名もチビヒサゴハムシダマシ亜科と改名すべきなのであろう。しかし、九州大学の目録ではハムシダマシ科のチビヒサゴゴミムシダマシ亜科とされているせいか、何処のサイトも「チビヒサゴゴミムシダマシ亜科」としており、「チビヒサゴハムシダマシ亜科」で検索しても有意なヒットは一つも無い。 九大目録では、同亜科に属す種の和名も全て○○○ゴミムシダマシ(このヒゲブトハムシダマシもヒゲブトゴミムシダマシ)となっている。科や亜科の変更に伴う和名の混乱は屡々見られることだが、一般の誤解を生じ易いので、速やかに和名を統一して頂きたいものである(研究者は日常的に学名を使用しているので、和名には余り興味がなく、それがこう云う事態を招く)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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