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カテゴリ:昆虫(甲虫)
4年以上掲載をサボっていたが、ネタが切れて掲載出来なくなった訳ではない。「写真倉庫」の中には、出番を待っている写真が山ほど詰まっているのである。今日はその中から、ほぼ丁度4年前の2012年6月23日に撮影した、キスジトラカミキリ(Cyrtoclytus caproides)を紹介する。
体長は約17mm、トラカミキリとしては中位の大きさである。
我が家のクチナシの上に留まっていた。実は、我が家だけでなく、この辺りでキスジトラカミキリを見たのはこれが初めてだと思う。これまで我が家で記録のあるトラカミキリと云えば、タケトラとエグリトラ位なもので、トラカミキリ類の記録は少ない。しかも、エグリトラは、子供の頃はかなり普通であったが、私がこの家に戻ってきてからは一度も見ていない。
尤も、我が家から2町ほど北へ行った角にあるクワの木に、トラカミキリとしては大型のトラフカミキリ(只の「トラカミキリ」とも呼ばれる、クワの害虫として有名)が毎年発生していたり、家にブドウ棚の有る同じ町内に住む友人は、毎年庭でブドウトラカミキリ(葡萄の害虫だが、かなりの美形)を採集していた。 また、トラカミキリではないが、かつて方々に植えられていたイチジクの木には、シロスジカミキリ、ゴマダラカミキリ、キボシカミキリ、クワカミキリ等がよく見られた(何れのカミキリも広食性だが、イチジクをかなり好む)。特定の樹種のある所に行けばそれなりのカミキリムシが居る様である。しかし、我が家にはそれらの「特定の樹種」がない。
調べて見ると、キスジトラカミキリの幼虫は、特定の樹種ではなく、ケヤキ、サクラ、カキ、コナラ、カバノキ類等、様々な樹種の伐採木を食すとのこと。庭の広かった改築前の家では、毎年2回植木の手入れをして、切った枝は風呂の燃料として庭の隅に束ねて山積みにしていた。そこから発生する可能性もあったと思うが、見た記憶はない。或いは、只忘れているだけなのかも知れないし、枝の太さがカミキリの好みでなかった可能性も高い(これが重要)。
トラカミキリ類は、カミキリムシとしては触角が短く、動作も機敏で、一種独特の余りカミキリムシらしくない雰囲気を持つ。黒っぽい体に黄色の横縞が有る種が多いので「虎」カミキリなのであろう。一見似た様な種類が多いが、良く見ると、それぞれの種で模様が結構違うので、一般に判別は容易である。
トラカミキリ類は、模様がある種のハチ類に多少似ているので、よくハチを擬態していると言われる。しかし、子供の頃にハチばかり採集していた私には、ハチに似ているとは思えない。 擬態と言うのは、その捕食者をかなり擬人化した解釈であり、全部を否定はしないが、かなり怪しい概念だと思う。人間から見て似ていると感じられるだけで、捕食者と人間では、見える光の波長も違うであろうし、どの様に見えているのか分からないではないか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016.06.30 10:28:51
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