カテゴリ:ほんのことば
ここにとある文を引用しましょう。 1963年、当時齢28歳の女性が書いたものです。 ~わたし自身は、人間が(男女問わず)究極的には「マイ・ホーム ささやかなしあわせ、天下泰平を謳歌する時代にむかっていくこと 今日は平均的女性がめいめい安心できる「巣」をもとめるのは当然 それが今日の事実でもありますが、大の男が、 これを理想としてかかげるのはみるもなさけないことです。 いまや(というより、じつはアダムとイブの昔から)平均的男性は 家畜であり、かれらはエサを運んでくるためだけ外にでることがゆ ひとりの女性を愛したとおもいこみ、女性が自分のからだの形にあ 罠にはまりこむと、やがてこの男性はだらしない夫となり、よきパ 女性の全面的な勝利です。 女性がどの点でつよくなったかといえば、日本ではむしろ男性を捕 堅実な「マイ・ホーム」を営むことにおいて、 わたしは女性がつよくなるとしたら、家庭の経営者としてよりも、 子孫の存続などは、個人の「あやまち」の集積としてであれ 「愛の 人類の歴史にとって真に創造的な仕事とは、人類を生きながらえさ 食うために生き、子どもを生むために生きているようなほかの動物 人間が国家より家族を守ることに徹し、「第二の性」しかいない平 おそらくこの平和は人類のしずかな衰滅の別名なのでしょう。 わたしたち女性は消費生活の管理者として強くなるより、社会的生 創造的な仕事を担当することによろこびをみいだすこと 私の「悪夢」によれば、21世紀にはおそらく家庭の崩壊がすすみ 子どもと老人の社会的管理が確立し、 死刑執行機関としての国家 21世紀が愛も結婚もない乱交の時代でありますように! ~*~*~*~*~ 最後に決めゼリフで修辞です。 本質的なところは変わっておらず、 家庭の経営は女性が担うという約45年前の亡霊化しつつある価値 育てられた子どもたちが今育児世代ただなかに 外で仕事をする女性はワンオペ家事育児に翻弄され、 (とはいえ、 先見の明に長けた女性作家でしたが、生きていれば現在御年82歳 文壇の枠を超えてしゃあしゃあとした物言いで活躍されていたこと 時折、過激ともとれる主張で度肝を抜かれることもありますが、 その分、
~『最後の祝宴』倉橋由美子 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017年09月05日 12時00分18秒
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