旅行の為ならなんのその。

前回の続きです。


「今あなたの目の前で５０ドルって確認させて渡したでしょ！
そんな訳が無い！」

「いやあなたの勘違いです！あと４ドル」
っていうのでとうとう温和な私もキレた。

怒った時は日本語で騒ぐに限る。
英語でモタモタ騒いでも迫力が出ない！

早口でしかもかなり大きな声で
「おかしいでしょ！詐欺師っ！この汚職職員！
日本人の女１人だからってなめるなっ！日本人だって
騙されてばかりじゃないんだから！警察を呼ぶっ！ポリス！ポリス！」
カウンターをバンバン叩きながら大声でわめき散らしたら
何事かと人が集まり出した。

日本人の女１人！しかもヘラヘラしている。
いいカモだ！って思った女が実は大騒ぎで立ち向かって来る！
しかも野次馬が集まってきた・・・
慌てた店員は
「僕のミステイクだった。５０ドルだった」と
言い出しおつりを返してきた。

最後に再び日本語で
「分かればいいのよ。サンキュー。（ニコ。）」

実は怒りが頂点に達していた。

最後に機内に乗り込む待ち合いゲートブースに入る時
再びパスポートチェック。
その時の職員が
「きみのビザ、出国方法が間違っているから問題だ。
でも２０ドルくれたら見逃す」
と言い出した

「そんな訳ないだろ～～～！」
もう絶叫状態（笑）

パスポートをひったくるように取り返すと
何も言ってこなかった。

怒りが頂点に達し、それを落ち着かせようとすると
涙が出そうになる事が分かった。

絶対に泣くもんかっ！ベンチに座り必死に堪えていた。

すると
「大丈夫ですか？見ていました。」
と外人訛りだけど流暢な日本語が聞こえてきた。

もう誰も信じられないって思いながらも
見上げるとスーツを着たインド人の青年だった

「大丈夫です。」

とだけ言うのが精一杯だった

するとこの青年
「僕はインド人ですが日本で１０年働いています。
仕事の都合でインドにはよく帰るのですが
帰るたびに必ずああいう事を空港職員に言われ
僕も頭に来ています。
日本人はみなさん親切で正直だから
そういう国の人にあんな事するのは
同じインド人として恥ずかしいです。
ごめんなさい。」

やばい。泣きそう。でも気を緩めるな！
またこの青年も騙そうとしているのかもしれない。

まさに疑心暗鬼。

「ありがとう。でもここはインドです。もう慣れました」
と言うと青年が大爆笑

「せっかくインドに来てくださったのにきっといやな目に
たくさん合ったんですね。本当にごめんなさい。
インドの印象が悪くなってしまいましたか？」

「いいえ。すばらしい国でした。最後にとても残念でした」

と言うと
「それじゃ本当のインドの最後は楽しく笑ってもらいたい。」
と目の前にあった売店の店員さんに
何かを言うと店員さんがチャイを２杯持ってきた

「インドに来てくれたお礼です」
青年がチャイをおごってくれた。

疑心暗鬼まっしぐらな私も
睡眠薬でも入っていてもどうせあと５分で機内だもん
熟睡させてくれてありがとうだ！このやろう（笑）
とチャイを頂く事に
チャイは甘くて温かくてすごくおいしくて
すっかり気持ちも落ち着いた

「本当にありがとうございました。
怒った顔でインドを去る所だったのに
笑って帰れそうです」

お礼を言うと

「また懲りずにインドに来て下さいね」
と青年も笑っていた。

と、、、インド珍道中はここでは終わらなかった・・・。（笑）

インドから帰国の翌日・・・。
私はお家のトイレに居座っていた
出たくても出られない
強烈なインド病でお腹がぴーひゃらぴーひゃら。
あははは。
この腹痛は２日間続き
体重を３ｋｇも減らしてくれた（笑）

最後まで恐るべしインド！