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明後日の土曜日に閉店するBarに先ほど、別れを告げてきた。
ここには、イギリス製の古いスピーカーがあって、ビートルズのレコードをいつも、聴かせてもらっていた。今日も、青ナンバーをかけてもらう。つまみに出されるコンソメ味のプレッツエル。マスターが丁寧に作ってくれる生クリームとブランデーを使ったカクテル。 先日、この店の閉店を知らされた日の深夜、テレビでビートルズの主演する古い映画が放映されていた。映画が終わったのは明け方の午前5時ごろだったのだが、思わず最後まで観てしまった。そのとき、プレッツエルとマスターのカクテルが、ずっと脳裏に浮かんでいたのだ。あの店の雰囲気までも。 化学変化が起きたのだと思う。ビートルズの音楽、プレッツエル、マスターのカクテル、そしてあの店の内装。どれかひとつに接すると、ほかの3つも自動的に思い浮かぶ。そうして、自分の無意識層にしっかりと、記憶がしまいこまれるのだ。 ビートルズの青ナンバーのアルバムは、メンバー4人の若い頃、そして10年後の写真が2枚、掲載されている、4人の並ぶ順番は同じで、どちらの写真も、下から見上げるように撮影されている。 ポール・マッカートニーは比較的、顔つきが変わっていない。しかし、ジョン・レノンは「これが同じ人間だろうか」と思うぐらい、表情が異なっている。多分、ジョン・レノンも、オノ・ヨーコに出会ったことで、化学変化を起こしたのではなかろうか。 誰かが誰かと知り合うことで、相手から余りにも強い影響を受け、自分の人格や顔つきまで変わることがある。ひとが大きく変わる理由のひとつとして、考えられることだと思う。これまで、ジョン・レノンがなぜ、あんなに顔つきを変えてしまったのか謎だったけれど、今日、ふとその理由が浮かんだのだった。 このお店もきっと、わたしの記憶に残る。なぜなら、化学変化が起きたから。よって、このお店が閉店したとしても、絶対に、大丈夫。今はそんな気持ちでいる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年12月16日 01時13分26秒
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