「悪いことは3つ、つづく」と思えば安心
「いいことも悪いこともつづくから、気をつけないさい」若い頃私は、ある占い師から、こういわれたことがあります。多くの人たちから、さまざまな教訓をいただいてきましたが、長い間、私の頭の中にこびりついているのは、この教えです。それというのも、私の57年に及ぶビジネス人生で、まさにこのことが、何回も起こったからです。それでも、いいことがつづくのはうれしいことですが、悪いことがつづくとなると、いまだったら、うつ状態になるのもよくわかります。恐らく誰でも1回や2回は、この経験があるのではないでしょうか?私の人生最悪期は35歳頃でした。 週刊誌の編集をしていると、実にさまざまなことが起こります。売れ行きの悪い時期だと、それだけで気がめいりますが、そんなときにかぎって、悪いニュースが飛び込んでくるものです。部員が事故を起こした、芸能記事で訴えられた、暴力団が押しかけてきたなどなど、編集長としては、からだがいくつあっても足りません。こうしていくうちに、私はある法則を発見したのです。それは「1つ悪いことが起こったら、必ず3つつづく」というものです。そこでデスク以上を集めて、不安なもの、危ない記事などがあるか、調べさせることにしたのです。こうしていくことによって、3つつづかなければ幸運だった、と思うようにしたのです。これは現在の私の人生哲学になっています。つい先頃、元巨人投手の桑田真澄氏の実父が焼死しました。すると2、3日して、今度は彼の元義兄が暴力事件を起こして、逮捕されています。2つつづけて悪いことが起こったのですから、もう1つ起こる可能性が高いのです。「2つあることは3つある」と覚悟しておけば、非常時を切り抜けられるでしょう。「ゴマキ」こと後藤真希は元「モーニング娘。」のアイドルでした。彼女は16歳の時に3階建ての家を建てて、母親にプレゼントしています。今回、この家の3階から、この母親は転落死しています。その前に夫は山で遭難死しており、息子は強盗致傷で逮捕服役中です。ともかく3回連続して、悪いことがつづいてしまいました。このように、1回悪い運が体に付着すると、なかなか洗い落とすわけにはいきません。「運が付く」といっても、幸運とはかぎらないのです。私の人生をふり返っても、どうしてこんなに悪いことばかりつづくのか、と思わず泣きたくなることもありましたが、これだけはどうしようもないのです。それでも60年近く、ビジネスを継続できたということは「悪いことは3回つづく」と観念した点にある、と思っています。あなたも、この教えだけは覚えておくほうがいいかと思います。3回つづいて当然と思って備えていれば、覚悟ができるからです。でも人生が楽しいのは、「いいことも3回つづく」可能性があるからです。そう考えれば、「自分の人生もまんざらではないな」と、満足できるでしょう。年の初めの教えとして、メモしておくことをすすめます。